ウサギのバイクで逃げ出そう
枯れ葉を舞い上げて
優しいあの子も連れて行こう
氷の丘を越えて
(スピッツ1991年アルバム「名前をつけてやる」収録「ウサギのバイク」より)
他のDIDさんはどうなのか、知りたいんだけど、
私たちの脳内ワールドにはウサギたちがいる。それも数えられないほどの数の、大量のウサギたちだ。
DIDと診断された2000年当初、私は脳内ウサギについて語ることはしなかった。ひとり黙々とウサギの品種とそれら脳内ウサギの性質を調べたり、観察したりし続けていた。
現存するウサギには数種類があるが、私たちのウサギはおそらく北極ウサギに近い品種だ。体は大きく、活動的で、好戦的。小学校などで飼育されている穴ウサギとは対極の性質を持っている。
当時ウサギについて書かれた本は図書館にも数えるほどしかなかった。そして偶然にもその年、知り合いからライオンラビットというちょっと変わったウサギのつがいをもらって、私はウサギの繁殖にその後何年かを費やすことになる。手間はかかるが、自宅の一室で、主人と3人の娘たちと一緒に、時々動物園の飼育員の人に電話でなにやら尋ねたりすることもあったりと、なかなか興味深い経験をしたものだ。
ウサギについての専門家は、ウサギほどみじめな生き物はいないと書いている。それはウサギという動物には敵に対して攻撃することが無く、できることはひたすら逃げる事、そしてなんなら捕食動物としてのみ地球上に存在理由があるとさえ書かれていた。
最近になって、脳内ウサギについて考えるような出来事があり、ネットで検索を続けている。すると極北地域に凶暴なウサギが生息していることを知ったのだ。これだ。これなのか。でもどうして私の脳の中に見知らぬウサギたちがこれほど多くいるのかがわからない。
ひょっとしたらウサギはDIDという病理に深く関わる何かを示しているのではないか。なんて、思うんだけど、違うかな。違うよね。そうだよね、うん。
ウサギについてのうんちくにはきりがない。たとえばウサギの母親は一日にほんの数分の授乳しかしないということ。
その母乳はたいへん濃いもので、それで十分子ウサギは育つらしい。
誰かDIDの方で脳の中にウサギがいるという方はおられませんか?
今日の脳内BGMはスピッツ「名前をつけてやる」。ウサギのバイクは一曲目に入っています。
ではでは、今日はこのへんで。