Hey My Friend

暑い中続く外壁塗装工事が終盤を迎えている。東側に続き西側のベランダのサッシがビニールで養生され、もう2日間開閉出来ない。このところ一日中クーラーをつけっぱなしだから窓を開ける事は無いんだけれど、ガラスの全面を覆われている光景はなんだか息が詰まる。

今日は図書館へ行った。夏休みの図書館は活気がある。フロアは子どもでいっぱいだ。そして職員も普段よりきびきび動く。気のせいかな。

講談社伝記文庫の南方熊楠を読んだ。若い頃南方熊楠の本は幾つか読んだがとてもむつかしかった。奇人変人だということで興味があるのだが自然を愛し、読書を愛していたという。そして明治大正昭和を生き抜いた人生には移り行く時代の流れに負けない独自の一刻さが貫かれている。

子ども向きに書かれた本には時々素晴らしい本がある。手練れの書き手の文章はキレが良い。とか言ってただこむつかしい本が苦手なだけなんだけどね。

この本によれば南方熊楠の子ども時代のあだ名のひとつに「はんすう」というのがあるらしい。牛のように胃の中のものを自由に口から出すことが出来たというのだ。作者は南方熊楠はいつでも嘔吐できることを武器にケンカに勝ち続けたと書くけれどこれはいくらなんでも変過ぎる。子ども向きの本って時々無理やり良い解釈をしがちだよね。はんすうっていうあだ名もありそうでないよね。やーい!はんすう!って?うーん。

おととい次女が秋に一緒に沖縄へ行く友人(婚約者なんだけどね)を連れて昼ご飯を食べに来た。てきぱきと海で遊ぶ段取りを立てている。主人はそれを聞いて俺は海には入らないと言い始めた。えー!待ってよ。じゃあ私はどうするの?俺とドライブでいいじゃん。主人は沖縄在住の古い友人に会いに行く計画だ。奇しくも来週から別の友人がちょっと暇が出来たという感じで慶良間諸島にダイビングに行く。あー、そっちに同行したかったー。でも今からじゃ無理だもんなあ。悔し紛れ私はそのダイビングに行く友人にあれこれとお土産をねだったのだがそれはすべて食べるものだった。

トミーヘブンリー「Hey My Friend」は映画「下妻物語」のエンディングで流れていた。

まあいいや。沖縄行けるだけでも感謝しよう。

ねぇ、ママはどこ行きたい?次女が聞く。ママはかねひで。かねひでって何?

ママはかねひでは面白いと思うよ。あのねスーパーなんだけどね、弁当が安いし、ポークも安い、アチコーコードウフもあるし、泡盛の種類も結構豊富。フライドチキンなんか揚げたてで100円ですごく美味しいの。

次女は返事をしないで彼氏とおしゃれな居酒屋へ行く話を始めた。

あーあ。若いっていいよな。

沖縄の友人が時々夕焼け空の写メをくれる。ねぇいつかボートで太平洋横断とかしたいね。私はメールを返す。金がいるな、と友人。

明治19年20歳の南方熊楠は商船シティオブペキン号でサンフランシスコへと渡った。半年後にはミシガン州立農科大学へ入学した。

私はメールを返した。日焼け止めもいるね。毎日ボートで釣りをして採りたての魚で刺身定食だよ。

あーまた食べ物の話だよ。

ま、いっか。