誠文堂新光社「サンドイッチの発想と組み立て」という本を見ています。
面白いですね。
世界7カ国、25の定番サンドイッチのレシピが分析されています。それぞれのサンドイッチはひとつひとつその断面を撮影され、味の決めてはこうである、パンと具の配分はこうである、と法則性が論じられてゆきます。
僕はだいたいひとりで何冊もの本を同時に読み進む癖があります。長年のことですが、一冊だとどうしても特定の情報に脳が影響を受け過ぎてしまい、日常に支障を来たします。インプットした情報は定期的に上書きしないことには何十時間も鮮明な何かに脳がやられっぱなしになってしまう。
それでどうしても読む本が実用書的なものになりますね。より上書きしやすく、ですね。
この脳の現象はニキリンコさんも書いてますが、例えばローストビーフサンドイッチのレシピをインプットするとホースラディッシュクリームという白いクリームをどうしても食べてみたくなります。
若かった頃、まだ幼い子供たちをぞろぞろ連れてそういう謎を解明すべく町をさまよう、ということをよくしてしまいました。今はそれはありません。
そんな時は情報の上書きで無事クリア。次へ進む。
今はサンドイッチの本、それからエベレストの本、三女の婿から借りている伊坂幸太郎、それらの本を行ったり来たり。
伊坂幸太郎は読みやすくどんどん読みますが、どっこい今回のやつは登場人物がリアルにラジカルで好きなタイプ。かなりの脳への貼り付きです。それで定期的にサンドイッチ本へシフト。カマンベールとリンゴを薄くスライスしたカンパーニュに乗せるとな。ふむふむ。だいたい一回に一種のサンドイッチでノートを閉じます。
次はこれが結構セーブしながら進んでるエベレストの本。これが思った以上にコアな感じ、これ突っ走っちゃうと危ない危ない。ビーガンでアスリートのelleちゃんと併走してポカラへ行っちゃうとまずいからな。それにしてもクライマーたちはなんてカッコいいんだろう。カッコ良くてカッコ悪い。もっと命を大切にしようよ!いやいやこれがプロットも良く出来ていて非常に興味深い。
本を閉じます。
なんか知らんがモレスキンのポケットに外国の切手が溜まっている。引越しだっていうのに箱増やしてどうすんだ〜。あかんやろ。聞いた事もないアラブの国名いっぱいリストアップされてる〜。
音楽も上書きになります。
新しい、なんだこりゃ的なやつは刺激が強いのでNG。たいていはアップテンポで明るい、歌詞に意味のないのがいいです。ここんとこ1995年の小沢健二の「流星ビバップ」のリピートです。16小節続くヘイ!の連呼がいい。
アスペルガーって面倒くさいですよね。でもそれなりに制御することが出来るなら楽しい。
さて、引越し&同居で最近5歳の孫が僕にペッタリ張り付いています。先日も片付けついでに引越し先に泊まりましたが、夜ですよ、さあ、何読もうかな〜、そういえばエベレストどうなったかな、で、パラパラやってたら5歳が来てですね、本を読んで、って言いまして、絵本を手に取ったんですが5歳は違う!その山の写真の本!って言ってきかないんです。
まあ、一回読んでやるか。
読みましたよ。
「鬼スラって何?」
スラブ、岩。よじ登るの。
‥‥‥ふうん。もういいわ〜。
5歳はリビングへ帰って行きました。
なんだか僕もその夜はエベレストは閉じてサンドイッチにしました。温かい、笑い声に満ちた夜でした。僕は自分たちが可哀想でしたね。これまでの闘わねばならなかった生き方のすべて。
動揺して落ち着かない。大げさかもしれませんね。でも精神病って孤独ですよ。闘いですよ。
ウフ・ア・ラ・コックは半熟卵っていう意味だそうです。細長く切ったパンを半熟卵の黄身に付ける。いやいや、これサンドイッチじゃないよね!しかも「最高のパンの食べ方だ」とか書いてさ。挟まないし。まさかのサンドイッチ全否定。
でもこれ本当に美味しいのか?
明日、やってみるか。