シトロエン2CV

今日はトヨタ博物館へ行った。

厳密には主人に連れて行ってもらった。私は普通免許もないのに車が好きだ。今でも何かの弾みで普通免許を取れないものかと思案する。夢の中ではしょっちゅう運転をする。

トヨタ博物館へ行くのは2回目だ。トヨタ博物館といってもトヨタ車ばかりが展示してあるわけではない。むしろトヨタという会社の懐の深さを感じさせるほど、欧米車から日本車までの代表的な車、主にクラシックカー、ビンテージカーがこれでもかと陳列してある。とにかく多種多様である。

世界で最初のガソリン自動車。ボディはまるで馬車だ。ホイールは木製である。渋い。ほぇー。なんだか泣ける。

70年代いすゞ117クーペ。私が20歳のころブイブイ街を走っていた。いすゞジェミニディーゼル車。実は主人はこれに乗っていた。

青光りする限定発売のスポーツレクサス。重機並みの足回りで圧倒的な存在感。

新館への通路には仔犬程の大きさの歴代コロナの模型が幾十台もずらりと並ぶ。この辺りはトヨタのお家芸だ。コロナという車種は微妙なポジションの車だ。コンセプトがイマイチ掴めない。にもかかわらず間違いはない。発売当時は中流階級におけるステイタスであった。

そしてどうやら博物館にはバックヤードがあるらしい。特別に入場券を予約購入すればバックヤードツアーというものを体験出来る。

私はこう見えても素晴らし過ぎること、嬉しすぎること、そういう事態を避けて暮らしている。単なる貧乏性ではない。これは確固とした生き方なのだ。なにごとも今あるもので満足する。これが出来なければ真の満足は味わえない。小さな幸せを抱きしめて行こうよ。

トヨタ博物館のバックヤードツアーはおそらくはウハウハの連続だろう。粋なメタルのビンテージカーや艶っぽい革張りシートの高級オープンカー、エルビスプレスリーみたいな無駄にデコデコしたアメ車にきっとウットリ。車だったらなんでもいいのか。結局アメ車かい。私は節操のない本性をさらけ出すに違いない。

数週間前には実走イベントが行われていた。もちろん行かないよ。行くわけない。目の前をゴーゴー走るんだよ。行ったらダメなんだよ。

実は私はシトロエンが大好きなのだがどうしてシトロエンが好きなのか、それがわからない。

トヨタ博物館へ通い始めたのはその謎を解くためだ。

私はフランス人じゃない。だからフランス大衆車にはなんの思い入れもない。

前回はシトロエンDSを間近に見た。痺れた。

そして今回は2CVだ。

実は2CVの実物を見るのは生まれて初めてだ。

私はわなないた。

是非とも運転したい。

お持ち帰りしたい。

でもさ

こんにちはって

2CVもはにかんでいたんだよ。