キースジャレット 「シェナンドー」

寒くなりましたねえ。寒くなると煮込み料理がやっぱり恋しいです。

ちょっと前に北海道からキタアカリを一箱送ってもらいました。開けてみたら男爵も別の袋に入ってまして、でも頂いた当初はキタアカリ大人気でじゃがバターとかマッシュしてコロッケにしたりとかキタアカリ一辺倒。火の通りが速い上に甘い。

朝食の定番はポテトフライ。体積を同一に丁寧にウエッジカットにしてヒタヒタのオリーブオイルでカリっ、サクッと揚げていきます。三分の一だけ皮を剥きます。皮がついてるやつ。皮の無いやつ。味に変化があって面白いです。今朝はエルブ・ド・プロバンスとガーリックを混ぜた塩をきつめにまぶしたら「コンソメパンチだあ〜」。

僕は皮なしで中が透けて見える感じに揚がったやつが好きですね。シンプルに塩味のみ。中はトロトロふわふわ。

数日前、どうしても甘じょっぱいこってり味の肉じゃがが作りたくなって、そういえば男爵あったなと。でも肉が無い。肉無しだと糸こんにゃく入れるとバランスが悪い。それで大ぶりに切った玉ねぎと男爵だけで肉なし肉じゃが。てんさい糖と醤油、水だけでぐつぐつ煮ました。仕上げにバター。肉の代わりです。いい感じ。冬の味です。

「容疑者 室井」の流れでキースジャレットを聴いています。トリオのライブ録音もいいんだけど何と無く「シェナンドー」を一曲リピートで聴いています。

舟歌ってたくさんありますね。僕は本当にノンジャンルで音楽を聴くので舟歌っていうとまず八代亜紀の肴は炙ったイカでいい、っていうやつかなあ。「悲しくてやりきれない」とか、「イムジン河」、ショパンチャイコフスキーも好きだし、でも1番好きなのは「シェナンドー」ですね。

「シェナンドー」の景色の中の僕は今ひとりです。とうとうと流れゆく河岸に立っている。

僕は出来るならこのまま彼女の脳内にとどまりたい。脳内にとどまる方法はたったひとつ。僕という個性の反転と部分的な消滅です。なんたって僕は男ですからね。

今フェルトでテディベアを作っています。茶色のクマ。2匹同時に作ります。

料理、手芸、音楽鑑賞、読書。僕には男の割りにガーリーな雰囲気があります。雑貨や文房具も好きですし。だから僕を辞めても彼女の内面で今後も長く役立てる自信はあります。僕は消滅するけれど、僕は生き続ける。僕は僕を辞めるけれど、僕は今後も彼女であり続けるんです。

この河を渡ろう。

新天地へ。

目覚めた僕はきっとなにくわぬ顔で相変わらず朝早くじゃがいもの皮をペティナイフで剥いているんだな。

なんかキースジャレットはもったいないような気がするなあ。

僕たちのこれまではそんなにドラマチックでも感傷的でもなかった。普通に珍道中。笑えることたくさんあった。

そうだな。

これからも変わらない。

笑って行こう。