DAHON Boardwalk D7

重い。猫が一匹布団に乗っている。こいつはメーンクーンという大きい猫のMIXで体重が最近6キロを超えた。ニャー。いちおう挨拶してから布団に入ってくる。今度は腕が重い。生意気に腕枕で寝てるよ。

Boardwalk D7は自転車だ。生まれてこのかたこんな小洒落た自転車に乗るのは初めてだ。なかなか慣れない。前にカゴが付いていないから通りかかった無人の野菜売り場でうっかり百円の白菜を買ってしまったりするとリュックサックがぱんぱんになる。

子育て中は前にひとり、後ろにひとり、背中にひとり。サーカスみたいに3人の娘たちを乗せて自転車を走らせていた。変速なんてなかった。駅まで通勤してた時代も自転車は毎日乗った。駅前の自転車置き場のおばちゃんがタイヤの擦り減り具合をみてくれていた。

農協から借りている畑まで約3キロ。リュックサックを背負いお洒落自転車でひとりかっ飛ばす。行きは全行程下り。ひたすら坂を降りてゆく。

畑作業終了後、スニーカーを履き替えて近くの喫茶店へ。ひとり珈琲を飲みながら、文庫本を読む。お年寄りばかり。賑わっている。

帰りは嘘みたいな登り坂だよ。1番軽いギアでとにかくかりかり進む。舗道の始まりのアスファルトの盛り上がりのこぶで静止。バランス。よいしょ。乗り越える。ちょっとBMXぽく遊びながらとにかく高度を稼ぐ。ずっとこれが続く。汗をかく。指先は冷たい。

主人は往復20キロ休みの日にひとりかっ飛ばしている。これまで2人で走ったのはたったの1度。ペースが違うから途中からバラバラになった。私はとにかくゆっくり登りたいからコースも変える。コンビニで主人が待っていてくれるのだが結局また離される。

あんなにロードバイクに反対してた主人だが今ではすっかり自転車に夢中だ。街の景色変わるよね。楽しいね。今日は何処まで行って来たの?

明日は2人で往復50キロのポタリングだ。お昼はどうする?

ライト、手袋、足首をキュッとやるバンド。いろいろと準備する。輪行バッグはどうする?帰りは電車乗ろうか?

なんか遠足思い出すなあ。あたし遠足大嫌いだった。ってかこういうこと言わないようにしなきゃ。楽しみだよ。うん。

なんだか不思議だ。

結婚して30年。主人はいつも私を自由にしてくれた。私の人生は私の人生だった。

いつの間にか大人になった娘たちも口々に言う。ママっていつかひとりでどっか遠くへ行っちゃうような気がするよね。だよね。ね。

友人のひとりが言う。最近夫婦の会話が減ったの。

夫婦の会話か。私は会話が下手である。最近のことではない。私はずっと主人を淋しくさせて来たのかもしれない。

朝コンビニでおやつにナッツ買おう。

なんだか眠れない。

もしかしてこれ遠足の前の日ってやつか。てことは私はわくわくしてる?してんのか?

あー猫重い。