阿部了 阿部直美「おべんとうの時間」

頂いた生姜酵母で作った元種をそろそろパンにしなければならない。粉と水を加え中種を作る。24時間後野菜室の中ではふわふわの生地がパンになるのを今か今かと待っていた。若い友人と長女に捏ねて貰い食パンを作った。わたしには捏ねる気力がない。そしてオーバーナイト。もちもちの生姜パンが出来た。

溜め息。何も食べたくないし何もしたくない。

キンカンを取りに来ない?

友人からメール。

キンカンは苦手だ。いやキンカンが苦手なのではない。キンカンの季節が苦手なのだ。まあ行ってみるか。わたしは歩いて数分の友人宅へ出向く。友人は大きくなり過ぎたキンカンの枝をばっさばっさと切って落としていた。

ほれ。

友人は板チョコをくれた。

甘い。なんだか涙がこぼれた。

落とされた枝にはキンカンの実がビッシリとついている。棘に刺されながら実を外す。半分はまだ青い実だ。青いやつは取り分けて別の袋に詰める。早速家に帰り青いウラなりのキンカンを蜜煮にした。なんかやってみたかった。もちろん完熟も煮たけれど。

数日前例のパン屋でまたまたパンの耳を頂戴した。クロックムッシュやレモンクリームパンも買ったのだけれど、レジであのぉ〜耳下さいませんか?と尋ねてみたら年配の女性スタッフが厨房から掻き集めて来てくれた。

食パンというやつは、そして特に蓋をしてきっちり四角く焼くやつはクラスト(耳のことです)がしっとりしていてほんとうに美味しい。香ばしくて味わいがある。

大切なことだが食パンは美味し過ぎてはいけない。サンドイッチにしたりバターやジャムを載せるからだ。

パンの耳をGET。そんなこんなで毎日が過ぎてゆく。

ここから逃げたしたい。毎日の何もかもからふっと消え去りたい。まさかそういうわけにもいかない。それでひとりふらりと自転車でカフェへ行く。

珈琲を飲み目を閉じる。深呼吸だ。

5歳は最近セロリのキンピラが好き。婿は肉料理だ。人参のグラッセは箸休めに丁度良い。メインが軽めの時は上に目玉焼きを載せちゃえばいい。わかめとエリンギのナムル。これは意外と評判が良かったな。胡麻と塩でシンプルに。魚は塩をしてセビーチェにすると冷めても旨い。セビーチェにはハニーマスタード味の野菜の一夜漬けを添える。

わたしは弁当のことを延々考えていた。これは由々しき事態だ。弁当とな。そのようなアットホームは柄ではない。昼ごはんなんてライ麦パンにしょっぱいハムを挟んでむしゃむしゃ食べたらいいのだ。豆とか麦とかナッツとか、そういう鳥やリスの餌みたいなものを食べて毎日過ごせたら。

数日前阿部了 阿部直美「おべんとうの時間」を図書館で借りた。

写真が良かった。ぱらぱらやる。

あー卵焼きいいなぁ。

やっぱ塩鮭だよな。

おやすみなさい。もう眠たくなってきたよ。