文庫クセジュ「カンボジア」

一週間滞在した沖縄の友人が昨日帰った。空港から戻ると夕食もそこそこに眠った。文庫クセジュカンボジア」は数行しか無理だった。崖から落ちるかのような眠り。深い静かな眠りである。

工藤公康がホークスの監督になったことを数日前に知った。工藤公康は同い年。自分と同い年の人がプロ野球の監督をしているというのは感慨深いものがある。頑張れ工藤。日本の野球を変えてやれ。出来る。きっと出来るぞ。

沖縄の友人の来日にあわせて食事会をした。彼女の行きつけだった多国籍料理店の店主が数年前店をたたみケータリングサービスを開業。それならば、と我が家に来てもらうことになった。

日曜日の午後、10人程の来客の誰よりも早くシェフ到着。クーラーボックス、寸胴、まな板、包丁。箱を次々運び込む。ハンチングとダブルの金ボタンの紺ブレを脱ぎコックの着る白いやつを着込んで調理開始。ちょっと聞いてもいい?いいですよ。シェフは5歳とわたしの質問に答えながらの調理である。

次々と客がやって来て会食スタート。一品一品シェフのおはなしを聞く。5歳がお代わりをねだる。何?何が美味しかったの?5歳のどストライクは鯖の味噌煮ペーストのクロスティーニだった。あーこれあかんな、将来は酒呑みやで。

肉料理も2種類過ぎた頃に今日のメインはこれです、とグリーンカレーが出た。おお〜。もうお腹いっぱいだよ、と言っていたはずの面々が無言でぱくぱく。辛い〜。あちこちで悲鳴が上がる。シェフはひとりニヤついている。

デザートを終え片付け中のシェフにお茶を出した。ねえあのハンバーグには何が入ってんの?さてなんでしょうか。シェフは答えない。でしょうね、でしょうね。

あのね、蜂蜜だけで繋ぐパン知ってる?卵もオイルも入れないんだよ。へえー。食べたい?食べたい。あのね、バターミルクだけで焼くスコーンとっても美味しいんだよ、外はカリッとして中はふわふわ食べたい?うん、食べたい。

わたしは尋ねる。あのハンバーグ何入ってんの?

五香粉ですよ。さらりと教えてくれた。

昨日空港の帰りに買い出しに行くという三女の婿にくっ付いてコストコへ行った。人生初コストコだ。

大きいなあ。ねえこれ見て、大きいなあ。

何もかもがBIGサイズなのだ。ふと辺りを見回すと何と無くだが人間たちもBIGサイズだ。テーマパークなんだね。ここは何もかもがBIGサイズのテーマパークなんだね。

わたしは甘塩の生鱈を1キロ買った。

朝起きて布団の中でも迷っていた。弁当のメインである。さてセビーチェにするか、はたまた魚フライにするか。1キロあるのだから結局どちらもいつかはやるのだが今朝は何にしようかな。

起き上がりサロンを付けて髪を束ねる。

わたしはキッチンに入る。

猫がこっちを見た。

ああ、とりあえず餌くれ?

わかりました〜