庭でパンを焼いてみました

真夜中過ぎ雨音で目が覚めた。二階がなにやら騒がしかったがまた眠る。朝、二階の廊下の天井が雨漏りしていると家族から。

 

昨日は庭で親族BBQ。午後からずっとあれこれ食べたり飲んだりし続けたせいで目覚めが悪い。BBQ後リビングで雑魚寝していた三女夫婦もまだ眠い様子だ。

 

結局雨漏りは近所の友人と三女の婿が屋根裏に入って何かを貼ったり塗ったりして直した。駆け付けてくれた近所の友人にランチに昨日のBBQのチキンで作ったカオマンガイを振舞う。

 

わたしたちは焦げ臭いカオマンガイに唐辛子ペースト入りのチリソースを振って食べた。

 

昨日はBBQでパン焼きをしてみた。

 

庭でパン焼きだ。

 

わたしは庭に即席マイ釜戸を設置してひとり黙々とパンを焼いた。いや釜戸と言っていいのかわからない。地面に窪みを掘り、ぐっと五徳を突き刺しただけの極めて原始的な炉である。炭を五徳の下に置く。五徳にでんとフライパンやダッチオーブンを置いてパンを焼いてゆく。

 

BBQコンロで出来上がった炭を小さい丸い七輪に受け取る。これが結構楽しい。七輪の中で赤い熱いものがぶちぶち。危ないのでそっと運ぶ。

 

いったい炭はいくつ、そして何分加熱したら何度くらいだとかそういうことは全くわからない。トングで炭を五徳の下に放り込む。

 

熱い。これは間違っても真夏の午後にやってはならないパン焼きだ。わたしは顔の汗を拭いながらはじめにフライパンでイングリッシュマフィンを四つ焼き上げて、丁度よい冷たさの安い赤ワインを一口飲む。

 

さて、次はダッチオーブンシナモンロールである。丸いケーキ型に一面に広がり二次発酵が完了している。赤ワインを飲む。ふふふ。

 

ダッチオーブンは中々の強者だ。炭をいっぱいに敷き詰めてもちっとも熱々にならないのだ。しばらく放置だ。私は紙コップを手にマイ釜戸を離れた。

 

BBQコーナーでは主人が焼きたてのサルシッチャをつまみにビールを飲んでいた。三女の婿はこんがり焼けたベイビーリブにオレンジ色のソースを刷毛で塗っていた。

 

この割り箸いる?

 

5歳が聞いてきた。ちゃんと答えないと割り箸は火にくべられてしまうらしい。ちゃっかり火遊びが始まっている。

 

先ほど焼いたイングリッシュマフィンを手で分ける。なんとも野性味のある焼き上がりでいい感じ。イングリッシュマフィンなどと勝手に言っているが3種類の生地のひとつ、これはwetを水、ノンオイル、強力粉のみの普通の白パンである。

 

お酒も入って皆さん何を食べても美味しいなどと楽しそうだ。だけど安いスーパーの食パンも炭で網焼きにすると本当にサクサク美味しいものだ。

 

ママ、パンいーの?長女に言われ、そう言えばシナモンロールのことをすっかり忘れていたことに気付く。

 

トングで重い蓋をよっこいしょ。おお、焼けてる。でもなんか色がイマイチ。炭を蓋にも載せた方が良かったか。

 

チキン、もうそろそろ焼かないと。

 

そうだった。丸鷄ローストのためにダッチオーブンを空けねばならない。仕方ない。このシナモンロールは食べる時にリベイクすることにしてと。

 

わたしはチキンに取り掛かることにした。ダッチオーブンは今いい感じに熱い。セロリを底に並べる。そこにスパイスと塩でマリネしておいた丸鷄をギュッと押し込む。芋や人参等の野菜を隙間に詰め、蓋をまたよっこいしょ、お願いしますよ、と念じながら。

 

チキンは小一時間は放置だが何故かチキンの入っているダッチオーブンは人気がある。5歳や主人が代わる代わる炭などの様子を見る。蓋の上にも炭を並べる。ワイルドに記念撮影をする主人。

 

向こうの辻の家で歓声が上がる。どうやらあのお宅もBBQのご様子だ。

 

刻一刻と空が蒼くなり木炭は静かに赤く煌く。

 

焼きそばいく?

 

いや、肉でしょう〜。

 

チキンが上がったらあたしはラストにライ麦パンを焼く。

 

パン焼きたのし。