「テッド2」を観たよ

昨日豪雨と共に苫小牧市に上陸。3日間弱のフェリーの旅が終わった。 今日で札幌ステイ2日目。すこぶる居心地の良いドミトリーの居間でこれを書いている。 わたしの乗った太平洋フェリー「きそ」二等は16人部屋だったが581号室の乗客は5人だった。

夜が来て船が沖へ出る。同室の、もう数え切れない回数「きそ」の二等に乗ってるの、という60代のフェリー上級者女性に船内を案内してもらい、パブリックスペースなるラウンジ風のテーブルで夕食を食べた。

わたしはこの旅行で胃腸の休息も兼ねているので食事はプンパニッケルのみ。彼女は小さめのおにぎりとメロン、イチジク。余りにも美味しそうなメロンを数切れ有難くいただいた。

一夜明けてまだ暗い明け方、パブリックスペースでひとり海を見ながらボソボソのプンパニッケルで朝食を摂っていると又しても別のフェリー上級者女性に声をかけられる。彼女も60代。

何を食べてるの?ライ麦パンです、プンパニッケルと言います。北海道へ何しにいくの?木彫り熊の調査です。彼女は二等に泊まってると言うわたしにあの部屋は酷い、おいで、とB寝台の部屋を見せてくれる。B寝台は2段ベッド。定員は10人くらいか。ひとつひとつ天蓋が付いておりカプセル風。うーんちょっと息苦しくありませんか?そうかしら、落ち着くわよ。

夕方仙台停泊。ねぇ4時間も船の中にいるつもり?一緒に仙台の街をぶらぶらしない?‥‥どうしようかな。

メロンをくれた同室の女性は仙台で下船。お別れだ。ふうん、高速バスで秋田かぁ。がんばってね。わたしはB寝台の女性からいっとき逃れ、迷路のようなパブリックスペースでひとりぼーっとしていた。すると又しても別のフェリー上級者女性に話しかけられる。

学生さん?

お、おお、久しぶりだな。どうやらフェリーという特異な空間の非日常がわたしにDID的年齢不詳症状を起こさせたらしい。

52歳です、孫も居ります。女性は絶句。まるで化け物を見るかのようにドン引きする。

あ、居た居た、ねぇ降りましょうよ。B寝台女性がわたしを見つけた。わたしは窓の下の仙台港の黒い水を見た。B寝台女性はひとり船を一時下船した。

二等で十分。不足は無い。その夜奇怪な音で目が覚めた。カリカリともキリキリとも言い難いキュルキュル?歯ぎしりだった。広い二等のどの辺に寝ている乗客かはわからなかった。それは仙台の乗客だった。

人間て不思議だな。寝てる間にこんな音を出すなんて。不意に可笑しくなり笑いがこみ上げた。わたしはしんみり歯ぎしり音に聴き入った。

朝が来た。髪の長いイブニングドレスの女性がグランドピアノで弾く東日本大震災応援歌「花は咲く」を聴きながら船はゆっくりと苫小牧港に入港した。自家用車で移動のふたりのフェリー上級者と手を取って別れ、長い行列と共にわたしも船を降りる。

新千歳空港シュタイフ社のミュージアムがある。シュタイフ55PBは世界初の公式テディベアだ。ミュージアムを探して空港をうろうろしていたらロードショーのポスターを発見した。

テッド2。

しかもあと10分で開演だ。観たい。観なきゃ。どこ?映画館どこ?あった。わたしはチケットカウンターに走った。

てことで、テッド2観たよ〜。

面白かったかって?

そりゃもう最高にstupidでした。