「プロポーズ」はKANの曲だ。この数日日に3度はこれを聴いている。これは曲自体の良し悪しを越えてミスチルが歌うべき曲であり、なんならむしろミスチルが「過ぎる」のだ。このミスチルが「過ぎる」を聴くたびにあるべきものがあるべきところに落ち着くことって大事だなと安心するのだ。
昨日若い友人から電話。翌日から札幌へ5泊6日で行くことになった。往復の飛行機のチケットを会社の同僚から譲ってもらったという。その同僚は家族が入院をして北海道への帰省が無理なのだそうだ。
札幌で何をしていいかわからない。とにかく来てくれと友人が言う。わたしは弁当と北海道のガイドブックとちょっと彼女に見せたかった樹木の本などを鞄に詰め込みお迎えを待った。
あのさ、別に札幌じゃなくていいじゃん。わたしがそう言うとそう言えばそうだなと友人。でも北海道へは1度も行ったことがないと言う。なんで今まで行かなかった?いや別に北海道へ行きたいなんて思ったことなかったし。
‥‥わかった。じゃあそのチケット一旦わたしに預けなさい、わたしが行って帰ってくるよ、まあ急だけど仕方がない、人生いろいろだな。
友人はわたしをじっと見ていやそれはいやだ、明日から北海道へ行ってくると言った。
札幌はさ、わたしは弁当を食べながらなんやかんや話す。特急、そして快速エアポート乗るべし乗るべし。小樽、函館、ニセコ。なんやかんやなんやかんや。
結局友人は札幌ステイがいいと言う。じゃあホテル取るべし。アパホテルすすきのへ電話。明日から5泊です、はい。ええ⁉︎友人が声を上げる。
どうしたの?
友人は電話を切った。なんでも大晦日はドリカムのカウントダウンコンサートが札幌で有るらしくホテルはどこも満室らしい。
どうする?
それがさ、〈アパホテルすすきの〉は一室だけ空いてるんだと。友人が言う。アパホテルってどうかね。そんなこと言ってる場合か、早くしないとそれも埋まるぞとわたし。友人はもう一度電話をかける。こうしてホテルを無事GETして夕方になりわたしは帰宅した。
夕ご飯に雲呑を作る。
最近近所に道の駅が出来た。産直の豚挽肉が新鮮で、その道の駅の豚挽肉で作った生ソーセージが余りにも美味しいので毎週買いにいく。年末休暇中の夫にお願いしてほとんど毎日通う。
数日前は完熟トマトが大量に安売りついつい買ってしまう。明日こそはドライトマトかトマトソースなどを作らねばと。
とりあえず豚挽肉を何かする夕ご飯が続く。雲呑の種には少しの葱のみじん切りと味醂。
味付けは塩。嘘みたいだけれど本当にそれだけで美味しい。多めの塩。混ぜて少しの時間置いておく。そのあいだに旨味が増しているのだ。
雲呑完成。家族で雲呑をすすっているところへ友人からメールが来た。
ええ⁉︎わたしは思わず声を上げる。
どうしたの?家族が尋ねる。いやなんでもない。わたしは雲呑に戻る。
友人からのメールには、同僚はチケットと共にレンタカーも借りていてそれも使っていいということなので滞在中に車で函館まで5号線を走るわ、とあったのだ。
おいおい、雪道だぞ、やめとけ。わたしは雲呑を食べながら考える。‥‥一緒に行きたかったなあ。
部屋に戻り友人にメールした。
雪道は危ないよ。死ぬよ。
1日過ぎたが友人からの返事は無い。今頃は空の上か。
まあそういうところが好きで付き合っているわけだけど。