fridayusaoのブログ〜丘の上から

統合失調症でDID、読書と音楽鑑賞の日々の徒然。

熊を彫りました。

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昨日木工教室。少し早めに教室へ入り先生と一対一今日は熊を彫りたいのだと真剣に訴えた。木工教室は昨日が2回目、慣れるまではカトラリーを、と言われるかと思っていたが先生はわたしがお手本にと持ってきたドイツのザクセン地方エルツの木彫り熊人形を手に取り四方から眺めた。体長5㎝。とても小さな熊である。

わたしはテーブルの上の箱に山盛りの端材から長細い木材を取る。これを四つにこう裁断します、それから糸鋸で輪郭を彫り抜いて、細かく彫っていけばいいかなって。まず背中をやって、胸、足、鼻、耳。わたしもう何度もシュミレーションしているんです、ここへ来ればきっと彫り方も教えて貰えるし道具も揃ってるでしょ。わたしは気が付けばまくし立てていた。

先生は笑いだした。黙ってエルツの小さな熊をテーブルに置くと奥の部屋に消えて行った。ああやっぱりダメかとがっかりしているところへ先生が手にこげ茶色の木片を持って戻ってきた。わたしの手から端材を取り上げ代わりにそのこげ茶色の木片をわたしに持たせる。

ウォールナットです。硬くて細かい細工のし易い木です。これでやってみましょう。嬉しい。わたしはしゃぐ。すごく時間掛かりますよ、初めは失敗ですよ。先生も笑った。

生徒さんたちが時間通り到着。今日は何彫るの?それぞれ作品を取り出す。殆どの人が家で彫っているものを持ってくる。ひとりひとりを順番に回って先生が助言をする。

わたしのエルツを熊を見たおじさんがおいそんな細かいことをするつもりか、いったいどこを持って彫るんだと言う。わかんないです。わたしは苦笑する。

右隣のおじさんが糸鋸部屋に行くという。わたしもあとについて部屋を出た。電動糸鋸を見るのははじめてだ。大雑把な輪郭を鉛筆で描いた木片を先生に渡すともっと細かい部分も描くようにと返される。わたしは耳はここ、足先はこう、ここには肉球があるから、と言うと先生は熊に肉球があるの?と言う。あるよ、だってネコ科だもん。わたしはそのウォールナットの木片に三体の熊を描いた。

先生が電動糸鋸で輪郭を辿る。半笑い。楽しそうだ。ジッと見ていたらやってみる?と先生が席を立つ。わたしは一旦座るが考え直して立ち姿で糸鋸をスタート。直線はいけるがカーブで小さな木片が電鋸の振動にバタバタと躍り上がった。スイッチを切る。わたしは木片を両手でギュッと抑えた。手が足りない。すいません、スイッチ押してください。手を切らないで、切るとすごく痛いんだよ、先生が何度も繰り返し言う。

見たことが無いほど先が長く尖った小刀を渡された。やってみて。出来ない。どこを持つんだ?貸して、先生が彫る。木片を掌で包むようにして持ち、左手の親指で小刀の刃の背を軽く押す。はい。わたしもやってみる。おお、出来る。これは木なのか。まるで凍ったチョコレートを削るようである。これなら行けるかも。

なんだって熊を?隣のおじさんは今日はワイングラスハンガーを彫っている。熊が好きなんです。ドイツへ行ったの?ザクセンへ行ったの?俺は今月シドニー行って来たよ。マイルが貯まってね。

ドイツ行ったこと一度もないんです。この熊は人づてに頂いたんです。わたしは話してる場合ではないのだがなんとか返す。いつかドイツ行くの?ええ行きたいですね。ドイツのどこ行きたいの?俺はドイツなら4回行ったよ。ドイツは英語通じないところがあるから注意だよ。ビール、ソーセージ、ライ麦パン。おじさんのドイツが止まらない。

1時間掛けてよくやく小さな背中と小さな頭がなんとなくカタチになって来た。先生が眺める。どうですか?んー、やっと10分の1だな。いいんじゃない?

みんなも覗き込む。熊だあ、熊だねこれ。ほー、熊になったね〜。嬉しくてわたしは鼻の穴を膨らませる。

先生が糸鋸済みの二体の木片を手に取り来月までにこれも彫れる?と言った。やります。ホームセンター行ってこの細い小刀買ってくればいいよね。

ねえこれ頬っぺた、丸過ぎない?

え?

これだと豚じゃない?良かったらこれから別の動物も彫ってみれば?

ダメなんですよ。熊じゃなきゃダメなんですよ。

わたしはちょっと豚っぽいその顔を見て言った。

なんで豚んなるかなあ。うー。疲れ過ぎだよ。なんということだ。目を閉じる。もやは豚の顔しか浮かばないぞ。

てことはだよ。もしかしてわたしって豚も好きなのかあ〜?