講談社 二ノ宮知子「のだめカンタービレ」

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(友人の北海道土産は函館のラッキーピエロのメニューと使用済みの袋だった)

iPhoneを機種変してからフォントがおかしい。気まぐれにフォントが変わる。なんでだろうなあ。


昨日インターネット工事。とにかく何でも検索せずにはいられないたちである。これで残量を気にせず検索ができる。


のだめカンタービレ」のコミックスを友人が全巻貸してくれた。わたしの友人たちはほとんど「のだめ」原作を完読している。友人たちは変人揃い、読まなくても死ぬわけじゃないから、と言っていたわたしも自分が何か変人としてこれは読んでおいた方が良いというような圧力を感じ始める。


やっぱり読もうかなと言うと引越し数日前に変人のひとりが全巻を届けてくれた。荷造り遅延にはそんな訳があった。(知るか)


漫画は素晴らしい。一枚のペン画には力がある。白黒の紙面がこれほど脳にアタックしてくるとは。DIDは漫画が苦手である。好みの作画、自分と相性が良い時その余韻は果てしなく続く。音や匂いその他の空気感が脳内でめまぐるしくなりクタクタになる。ゆっくりと読む。すごく一生懸命頑張る感じで漫画本に立ち向かう。(大袈裟)


wifi無し、無制限検索無しの数日を「のだめ」修行に充てて過ごしていた。


映画で見た小出恵介が良い。先に映画見ちゃってるから真一は玉木さんだしのだめは上野樹里だ。のだめは原作の方がだいぶ上野樹里っぽい。本人よりも本人っぽいというのは変な表現である。


昨日インターネット工事中、丁度昼時だったのでライ麦パンをかじるだけという粗末な昼ごはんを食べながら「のだめ」6巻を読む。夏の北海道旅行以来ライ麦パンを摘みながら本を読むのが癖になった。これ行儀悪いですよ、なんて親に叱られるタイミングなのかもなどと思いつつそんな親がわたしにはないことが淋しい。


小出恵介演じる(コミックだけど)ティンパニー奏者の卒業演奏のシーン。予定していた伴奏者が盲腸で救急搬送されてしまい憧れの真一が急遽伴奏をしてくれることになった。小出恵介はすごくドキドキしているぞ。しかし過度の緊張は良質のリラックスを生み出すとわたしのピアノの師匠も言っていた。どうやら右脳が開くらしいのだ。


演奏が始まる。グッと腰を入れてティンパニーを丁寧に叩く。小出恵介性同一性障害。見た目はオカマだ。真一は彼(彼女)を受け入れられないでいた。しかし共に演奏することで偏見は消失してゆく。音が全て。リズムが全て。君が誰でも僕がどうでもこの瞬間だけを2人で生きる。


ティンパニーはパーカッションなのでピアノと相性が良いんだろうな。心から尊敬する人の音に合わせて太鼓を叩くなんてきっとすごく楽しいんだろうなあ。言葉というのは時々もどかしいものだ。伝わらない哀しさ。貴方を尊敬しています、貴方の事がとっても知りたいのです。ドンドンドドン。太鼓でアプローチだ。うーん、いいなあ。


演奏は素晴らしいものだった。胸に込み上げるものがあった。ふと見れば漫画の小出恵介も泣いていた。あの真一が顔を赤らめていた。良かった、良かったよ、ホント。


その時工事が終了。NTT西日本のお兄さんがサインを欲しいとわたしを呼んだ。


お兄さんはうちの玄関内に散在する3台の自転車をちらちら見ながらいや僕も最近自転車やってんですよ、と言う。


目と目が合った。わたしは泣いていた。お兄さんがハッとした顔でそそくさと片付けを始める。


雨の日に乗るなら、わたしは言った。


は?


雨の日に乗るならMTBがいいですよね‥‥。わたしは精一杯の世間話をしたつもりだったのだがお兄さんは難しい顔になりバタバタと挨拶をして帰っていった。


ティンパニーとピアノが鳴り止まない。雨の中をゆくMTB。そして待ちに待ったwifiである。あー、頭の中が滅茶苦茶だ。タブレットは速攻フリーズだった。


すこし休もうな、パトリックが言った。