アマゾンでワンクリックしたナカニシヤ出版「ぶらり中山道」が届いた。嬉しい。大きい本だけど鞄に入れて持ち歩く。この数ヶ月至る所(図書館&書店)で中山道の本を手当たり次第手に取り眺めたが一様に内容に不均一が目立つ。
中山道が東海道と違うのは宿場によっては建造物等未だに江戸が遺されていることだ。従って人気のある宿場もありガイドブックではそうした観光名所的な宿場がクローズされていることが多い。本によっては見所解説が過多、コースまで設定。この駅で降りてここを見てここに泊まりこれを食べよ。
それらの記事はたいてい対象も設定されていて、年配もしくは歴史好きな少々お金持ちだ。貧乏山歩きをしようとしている当方に魅力的な本は一冊も見つからなかった。中山道のメインは客ではなく山であり山道であろう。近づき来る宿場跡。一里塚ではないか。諦めつつもあちこちの図書館で「中山道」で検索する日々が続いた。ガイドブックなどなしでも良いではないか。地図だけを手に入れようか、と考えていた時にこのナカニシヤ出版に遭遇した。
騙されないぞ。ページをめくる。何日も読む。とはいえこの本は八割が地図である。地図上の赤丸は箱物で解説はぎりぎり名称があるかなしか。何より嬉しいのは標高の記載である。そして69の宿場に均等にページが充てられている。観光名所を贔屓にしていないのだ。必見とか通ならば云々の記述がないことを確認する。集客につながる要素がない本はまことに爽やかである。ソフトカバーにも惹かれた。
しかし難点も無くはない。これならば地図を張り合わせて自分で作ることも出来るだろう。3日くらい悩んだがなんやかんやで疲れていたのでワンクリックだった。翌日届いた荷物を解くとアマゾンのレシートが手書きである。お年寄りかな?そんなのも嬉しかったりして。本でここまで感動しちゃうと現地行かないパターンか、これもしかして。
ほぼ毎日開いている。ここからここまで歩いたとして何キロか。計算する。何時に歩き始める。引き返すもしくはJRか私鉄に乗る。歩いた場所を塗り潰してゆくための白地図はやはりコピーして手作りするしかない。写真を貼り付けるノートにするか。楽しいな。参覲交代ごっこだ。
今日は診察。気が重い。気が重いと正直に言えば?パトリックありがとう。
平凡社新書「ドイツ料理万歳!」は面白かった。ドイツ料理とあるが主だった詳細はシュトゥットガルト周辺の南ドイツの郷土料理である。ミュンヘンの話も時々ある。郷土料理ならばドレスデンは?リューベックは?紙面の関係上割愛なのか。
もしもわたしが名古屋の味噌煮込みうどんと五平餅と栗きんとんメインの新書を書いて「日本料理万歳!」ってやったら怒られるかもしれないがこの本はそれよりも深い内容を伺わせるもので、なによりドイツ人の食に対する共通項がじわじわと伝わってくる。
この作家の別の本を読んだがまるで別人だった。ドイツは不思議な国である。魅惑的な場所である。ドイツにも街道がある。しかしそれは東海道や中山道とは違います、とガイドブックにわざわざある。中山道の何をもってしてロマンチック街道に引けをとるというのか(わたしは既に中山道サイドの人間である)。
どうやらドイツとは素敵でなければならない国であるようだ。虚栄というほど完成されていない感じがするし、実際素敵なものも多いだろう。行ってみたい。行ってみたいを百万回言ったら良いか。パトリック馬車の用意を。
病院でしょ。
うん。これ現実逃避だな。
飛行機乗れないくせに。
うるさいわ、馬車じゃ、馬車を出せい〜