ハンミョンソク「黄色いシャツ」(1961年)

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昨日主人が定時で帰宅。お風呂の日。買い物も行った。帰りにTSUTAYA韓国映画「国際市場であいましょう」をレンタル。ウイスキーを飲みながら見た。

URURUNDOさんが言う通り泣いた。普通でなく泣いた。ドイツの炭鉱シーンのストリングス。寮で忍び逢うふたり。男性が持参した大きなアルミの弁当箱には赤いチゲが入っていた。美味しいと言って彼女がスプーンでガツガツと食べるシーンもとても良かった。

数日前知人から韓国語の通訳を頼まれた。少し考えたがもう単語をだいぶ忘れている。何かちょっとした会話をぽつりぽつり自分から話すことは出来るかもしれないが通訳だ。ネイティヴのリスニングは無理だ。

断ろうと思っていたところ知人から手違いで別の人が手配されたと連絡が入った。とりあえずひと安心。先週診察で韓国絡みの記憶をぶちまけたばかり。別の不安要素も無くはなかった。

それでもこの数日脳内がハングルで溢れた。お会い出来て嬉しいです。いいえ違います、彼はわたしの主人の友人です。わたしは在日三世です。わたしは主人に韓国語で話しかける。ドイツ語よりいい感じ。主人が笑った。

昨日午後友人宅でだらだら。彼女はどうやら易しくはない病気になってしまった。検査の結果待ち。このあいだ会社を辞めてきた。え、もう?そうか。蒸した大根や人参、南瓜。焼いた菜の花。へんてこなものばかりだったが何もやる気がしないと言う彼女への夕飯の捧げ物とした。それからBOOKOFFで買い溜めた雑誌類をプレゼント。暇つぶしには丁度良いと思ったのだ。

雑誌をぱらぱら。離婚して数十年、旅行や手芸など一切の愉しみを封印して仕事と子育てに明け暮れてきたのだと言う。子どもたちが巣立ち今は一人暮らし。手の込んだ料理もしなくなった。あのな、パンを焼いてみたいんや、彼女が言った。わたしは来週スコーンを一緒に焼く約束をした。

難しいやつとめっちゃ簡単なやつとどっちがいいかを尋ねると少し悩んでからどっちでもええわ、1種類だけでええわ、こうささっとな、手際良く出来るようになりたいんや、と笑う。関西弁が爽やか。ようやく笑顔になった。

友人はケアマネージャーだ。授産所で買ったというビーズのストラップを見ていた。それきらきらしとるな。うん、綺麗やろ、ほんまきらきらしとんねん、あたしはここで死ぬんやな。友人が言った。なんと言って返していいかがわからない。わたしは黙ってビーズのきらきらを一緒に見た。

「国際市場であいましょう」でドスクが足の裏を木の棒のようなもので叩かれるシーン。韓国人の結婚式のなんだかわからない恒例の儀式だ。やめて欲しければ何か歌うんだ、酔っ払ったドスクの親友が新婦に言うシーン。小さな孫の女の子が親族の宴会で古い暗い歌で場をしんみりさせるシーン。

いろいろなことを思い出す。

新婦がコミカルな振り付けで歌ったのが「黄色いシャツ」だ。コップンの店の叔母さんも踊る。基本歌って踊る民族なんだな。

youtubeで「黄色いシャツ」を探す。パティキムだ。パティキム繋がりで「離別」を聴く。「イビョル」。懐かしい。恋の歌とは思えない平穏で温かなメロディ。

わたしは何故か「イビョル」の歌詞とメロディを覚えている。たぶん昔歌ったんだな、宴会とか、なんやかんやな。

もう一度「黄色いシャツ」を聴いた。http://youtu.be/-ZkPpsVEnT0

やっぱあたしはこっちかな。