実業之日本社「二人五脚」松井進

f:id:fridayusao:20160414082445j:plain

この本は2001年の本なので情報としては古いかもしれない。おそらく大きな本屋へ行けば最新の盲導犬情報が入手出来るだろう。日本には盲導犬が少ない。駅前で募金活動をしているのを見る以外街で盲導犬を連れている盲者に遭遇することは無い。

わたしは数年前まで雌のフレンチブルドッグを一頭飼っていた。ブリーダーさんが手放した老犬を頂いたのだったがこのフレンチブルドッグがラブラドールやゴールデンをとても好きだった。

近所の公園に散歩へ連れて行くとそこにはお馴染みさんのワンコたちが居て、わたしの飼っていたフレンチブルドッグは公園でキョロキョロと自分の友達のゴールデンやラブラドールを探したりしていた。

彼女はミニチュアダックスシェルティにあっても挨拶程度だ。何が違うのかはわからない。レトリバーたちに会った時のはしゃぎっぷり。

そもそもそのレトリバーたちはその公園ではいつもはしゃいでいたような気がする。大きな体で走り回る。そこはドッグランではない普通の公園だったのだが地域の暗黙の了解でその時間帯はリードを離してもいいことになっていた。

しかしわたしはなるべくリードを離さなかった。レトリバーたちがわたしのフレンチブルドッグのところに来て遊んだりする。レトリバーたちの関心はフレンチブルドッグにあったからわたしは気配を消していたけれど、正直わたしは凄く怖かったのだ。

フレンチブルドッグ無しではその時間帯にその公園に入るのは怖かった。わたしの飼っていたフレンチブルドッグは心臓が弱くて走り回るということが無かった。

彼女は老衰で亡くなったが、獣医でこの夏でしょうと言われてから2年生きた。亡くなる寸前にわたしは寂しさからフレンチブルドッグをもう一匹購入したいと考えたがフレンチブルドッグは高額で仔犬時代は病院通いもせねばならないことが多いらしく金銭的に難しかった。

それならばレトリバーを買いたいと考えた。レトリバーなら弱っている彼女にも良いと考えたのだ。わたしはソファでシュミレーションをした。これくらいの大きさのイヌがこうやってわたしの横にやって来る。空想のレトリバーたちはリビングでバタバタとはしゃぐのだ。無理だと思った。大き過ぎる。やはりわたしは大型犬は苦手なのだった。

行きつけの獣医で相談したこともあった。レトリバーにも沢山種類があるよ、ゴールデンよりもラブがいいよ、個体差もあるけどマンションでも飼えるよ、大丈夫だよ、たぶんラブが向いてるよ。彼はわたしが大きなイヌは怖いよと言ってもなかなか信じない。

わたしが頂いたフレンチブルドッグはどちらかと言えば賢くて大人しい個体だったようだ。フレンチブルドッグは帝王切開でしか出産が出来ない。彼女は幾度も大きな手術を経験していた。

わたしは当時家で1人きりのことが多かった。仕事を辞めDID治療が始まった頃だ。わたしの寝室はその頃住んでいた一戸建ての借家の二階にあったので今日は寝て過ごそうという日には午前の早い時間にフレンチブルドッグを抱っこして階段を上がる(足の短い彼女は階段が登れない)。

ベッドで横になる。薬で朦朧とした頭でクラシック音楽を聴きながらわたしは一日中を寝て過ごす。フレンチブルドッグはベッドの脇でそれが当たり前のようにじっとしていた。

散歩の時にそのレトリバーたちの公園にフレンチブルドッグを連れていってあげるのは日頃の感謝という意味合いもあった。

もう何年もDID治療にはイヌが効果的だといううんちくを書きたいと考えているが上手くまとまらない。

当たり前のことだが盲導犬もイヌなので人よりは早く亡くなる。この本の盲導犬はクリームのラブラドールの雌だが癌で亡くなり、著者は今は雄のブラックのラブラドールの盲導犬(アイメイト)と暮らしている。

今日は予定が無い。くもり空を見ながらふとこんな日にはフレンチブルドッグを抱えて寝室への階段を上ったことなどを思い出していた。

とりあえずミスチルを一曲弾こうかな。わたしの朝はミスチル弾き語りで始まるのだ。

犬猫飼うよりもピアノを欲しいって確か言ったよね。

はい。そうでした〜