講談社カルチャーブックス「テディベアのすべてが知りたい」

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昨日日曜日知人の紹介で木工旋盤職人さんのアトリエへ行って来た。知人はトールペイントを趣味としていて、そのトールペイントの師匠さんのご主人が木工ろくろでお椀とかを作っているという。

GWということで小さなアトリエではイベントを開催中。入ってすぐの場所の壁いちめんにトールペイントの額が展示されていた。奥へ進むと木工細工が所狭しと並べられている。

小さなトレイを手に取って木目を眺めていると綺麗でしょう、と声を掛けられた。このご婦人が知人の師匠であるトールペイントの作家さんであった。わたしより少し年上。彼女の話は面白かった。

木工作家とトールペイント。ご主人が彫って貴女が色を塗る、合理的ですねと言うと色を塗るとなると木目を消さないでくれとご主人が懇願してくると言う。でもわたしは塗りつぶしたいわけ。夫人が可愛らしく微笑んだ。

様々な種類の木。器やおもちゃなどいろいろな木工細工があり、わたしが楢だ、欅だと木目をなでつづけていたらあら貴方はそちらの方なのね、と夫人がまた笑う。珈琲とシフォンケーキを頂きながらトールペイントの話も沢山聴いた。

彼は木の話は出来るけど四方山話しは出来ない人なの。彼女もそうですよ。同行していた夫がわたしを指差す。ちょっと主人呼んで来ましょうか?いやそれは待ってよ。わたしは狼狽える。疲れていた。もう帰りたかった。わたしたちは何度もお辞儀をして中年女性でひしめき合っているアトリエをあとにした。

その足でホームセンターへ行き夏野菜の苗を3,000円くらい買って畑に植えた。水茄子とハラペーニョモロヘイヤ、ズッキーニ。あとなんだっけ。思い出せない。

休暇が終わった。ミスチルを聴きながら読書。今日はテディベアの本を読む。ヨーロッパの人ってホント熊好きだよね。

トールペイント夫人にわたしは、わたしは熊の研究をしています、と自己紹介をしたところ、あの北海道の?と若干鼻で笑われた。北海道の木彫り熊はお土産品でしかなく、アートとしての社会的地位は低いのかもしれない。

木彫り熊は服も着ていない。四つん這いで荒々しく口いっぱい大きな生きた鮭を咥えている。

八雲町の木彫り熊の職人のどなたかが、八雲の熊は鮭を咥えてはいません、熊が鮭を咥えた姿など彫りたくはないのです、と言ったというのをどこかで読んだことがある。

わたしが木目の美しいドングリのペンダントを手に取ると婦人がペイントを施したアロマポットドングリを見せてくれた。どちらもモチーフは同じ木の実である。

果たして木の実にペイントは必要か。

木の実はそのままで充分に美しいのではないか。

わたしが四方山話しが苦手な所以はどうやらここらへんにあるようだ。