グリーンカレーを作ったり、海老を焼いたり

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出来事の記録。週末は神経痛が酷くて朝からパジャマでごろごろ。神経痛は明け方の胃痙攣から始まった。旅行から帰り幻聴や幻視が少しずつ盛んになっている。名前は忘れてしまったけれど先月の診察で貰った新薬の頓服を飲もうと思ってやめた。

幻聴や幻視があるとはいえ不思議と内面は穏やかではある。もちろん胃痙攣は困るのでプスコパンをがさがさ探したがなかった。腕も脚も痛い。発病当時、こんなときの痛みにポンタールは絶対飲んじゃダメと内科の主治医から言われていたことなどをふと思い出した。

その頃わたしはポンタール中毒と主治医に言われていた。他の多重人格さんはわからない。わたしは薬が効き過ぎるようだ。ポンタールを飲めばこの痛みは瞬く間に消えるだろう。おそらく内臓や筋肉には痛みを引き起こしている損傷はない。薬効機序とは不思議なものだ。

片脚を切断した人が切断して失われた方の脚の痛みを感じることがあるという。PTSDは心的外傷だが何故だか体が痛むときもある。こういうのは心身症というのだな。頭の中では歩いてすぐの内科のクリニックへ行くべきかどうか、所持金はどれほどか、そんなことを思い巡らしていた。

ここと、ここ、それからここ、あーここも。夫にロキソニンテープを貼ってもらう。痛みは体の右側に集中していた。クリニックは行かない。先々月に診察で貰った緩い方のトランキライザーを一粒飲んで布団を被り気がつくと午後過ぎるまで寝た。

目が醒めると夫からメール。金曜日に訪ねた板金屋の友人と今からエアコンを取り付けに来ると言う。ドンドンと階段を登って来る足音が聞こえる。わたしは学校を病欠した生徒の様にパジャマ姿で玄関扉の鍵を開けた。キッチンでレモネードを作って友人と夫に飲ませ、自分も飲んだ。

ガスが皆んな出ちゃったんだよね。友人は汚れたタオルで顔を拭きながら言った。レモネードを飲み、熊どう?友人がわたしをねぎらった。普通だよ、わたしは返す。暑いだろ。暑いよ、じっとり汗かいてるよ。エアコン壊すなよとわたしが毒づいても友人は笑っている。

友人は最近原付バイクで事故を起こしたらしい。それで肋骨を数本折ったが保険金が沢山出て息子が自動車学校に入校したと豪快に笑った。あなたってたぶん一生涯、熊無しでも生きていけるんだろうねえ、と言うと夫がわたしを憐れむように見た。わたしは彼が羨ましかった。

熊?要らねえ要らねえ。俺にはここにエンジンが有るから、友人が胸をトントンとした。そこ事故で折れたところじゃん、わたしはそう思ったが言わなかった。彼は自分が熊だから、夫が笑った。友人はいや熊は怖い熊怖くて山に行けないとツキノワグマの事件の話が止まらなくなっていた。

そうか、ひょっとして熊は男たちのエンジンなのかもしれない。友人はお腹が空いていたのかわたしがキッチンでいつも食べているドライイチジクとドライココナツをパクパク。帰り際それぞれ新品を一袋ずつ手渡したらめっちゃ喜んだ。やっぱり熊じゃん、そんなことを思ったりして。

日曜が過ぎ月曜が来てようやく痛みが消えたようで、わたしはいつも通り早朝ランニングに出た。不思議なことにもうこれまでのミスチルを今朝は一曲も聴きたくない。では次は「ボレロ」が、それとも「アトミックハート」か。今夜TSUTAYAに行こう。

清拭して着替えてさっぱりしたのでグリーンカレーを作った。走りながらグリーンカレーの事ばかり考えていた。夫が会社へ行ってしまうと途端に心細くなった。たのむやめてくれ。もう神経痛は嫌だ。わたしは思いつきで隣に住む友人にメール。

グリーンカレーを作ったよ。

友人から返信。グリーンカレー食べたいな。

昼が来て友人が来てランチ。スキレットで海老を焼いた。友人は殻ごとバリバリ食べている。熊どう?彼女が笑った。うん、普通だよ、わたしは返した。