キムドクスは5歳で、ボリスエーデルは12歳で故郷を遁走しました。家出です。だけど出て行くんじゃなくてそうして新しい世界へ突入した。
思いっきり飛びたい。高い山のてっぺんみたいなところからわーって。もうそれしかない、そうするしかないっていう気持ち。
ああここはダメ、テリトリーを出たんだなって足が震えた。耐性を育てなきゃって思う。結局また凄く強い磁力みたいなものに負けて気がつくと元のあの吐きそうなくらい嫌だったあの時間に戻ってる。
悔しいよ。悔しいの前にまず暗い景色が来て、息が詰まりそうな閉塞感。今まではそんなこと忘れて楽しく生きてこれたのに。きっかけ?わからない。夏?夏は好きだよ、あたし。
どんなに遠くへ行っても帰って来なくちゃならない。誰も居ない場所はないかな、そんなところへ行きたいって思う。
自分が居ない感じ。カレンダー見て、予定を見て、それでなんとなくその時まで自分が存在して居るっていう実感が湧く。だから予定を入れなきゃって思う。そうすれば安心。
ありのままでとかそんなことは思わない。ありのままでって歌あったね。ありのままで居たいなんてことは思わない。
卵、そう。固い殻があるからなんとかやってきた。この殻が割れたらお終いだって思う。生卵割れたら迷惑掛ける。わたしの中身が出たりしたらたいへんなことになるってすごく怖いですよ。
ストレス耐性をつけなきゃ。頭を休めたいから走らなきゃ。走り始めればなんとかなるって感じがする。今日ここで折り返したい。