fridayusaoのブログ〜丘の上から

統合失調症でDID、読書と音楽鑑賞の日々の徒然。

シモンズ/水の影

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診察では話せなかったがわたしはいま幼馴染みのTの幻覚を日々苛んでいる。それはじっさいに非常に恐ろしい。

わたしはこのところ診察を親しい友人との大切なひとときとでも思ってんのかな。優しいなぎらの顔を見たらわたしはわたしにいまTの恐ろしいが幻覚があるということを話せなかった。それを話してしまったら何かが逆戻りするような気がした。ではわたしは診察ではその葛藤をも瞬間深く苛んだのかと全く情けない。

おいおいなぎらは精神科医だぞ。わたしは病院に金を払っているにもかかわらず、医者に掛かっているにもかかわらず気を遣って、わたしは馬鹿じゃないのか。

Tに関する限り全責任が自分にあるような錯覚がわたしにはある。診察でTのことを話したくなかったのはもしなぎらがTを軽口で斬ろうものならわたしは即刻逆上しそうなほどの激しい何かを今もなお溢れるほどわたしの内面に蓄えているからで、相手が主治医のなぎらであっても一度も会ったことのない本物のシンガーソングライターなぎら健壱であってもそれは同じなのかもしれないな。

だったらわたしが今1番Tの記憶を一緒に想起してもらえそうな人はやはり診察室のわたしのなぎら、つまり偽物のなぎら健壱なんだろな。彼は偽物だけど、わたしのなぎらにもいいところは沢山ある。本物のなぎら健壱は会ってみたらこれがどっこい本物の変態かもしれないじゃないか。それはそれで厄介だろ。わたしのあのなぎらは職業上やむなく変態の振りをしているように少し思えてきた。

Tはわたしを睨んでいる。怖い表情でわたしを凝視して一向に諦めてはくれない。俺の人生を無茶苦茶にしたな、お前も俺と同じ様に人生を狂わせろよ。Tはわたしに強い恨みを抱いてそんなことを言っている。

あの時は結局伝わらなかった。最後は駄目になった。わたしはオマエのこと好きだったんだ。オマエならわたしの苦しみをきっと解るだろう。オマエならわたしの闇を一層深く塗りつぶせる黒でわたしを覆ってわたしをあの地獄から連れ出せただろう。

だからそうかだからわたしはオマエを遠ざけた。オマエがひとりで遥か遠くへ行くようにと全てを仕向けた。だからオマエは怒ってるんだな。それを今も怒ってるんだろう。

Tはわたしの問い掛けに答えてはくれない。何故ならTは、わたしが今見ているあのTはあの時わたしが遠ざけたTの幻に過ぎないからだ。あれはけして本物のTではない。あれはわたしが出会った最後のT。わたしが見た生きて動く最後のTなのだ。

Tがわたしでない他の女性と結婚してすぐに離婚をしたことやアメリカへ移住したこと、そして帰ってきたことなどの諸々を風の噂で聞いた。

そんな顔で見るなよ。わたしは謝らないよ。わたしはオマエを本当は好きだったんだから。それを伝えたいんだよね。

だけど伝えられる筈がない。

だってあれは偽物なんだもん。

消えなくてもいいや。そこでわたしを睨んでても許すよ。きっともうわたしを許してるでしょ。わたしのことなど忘れてるでしょ。

わたしのなぎらは狂っているわたしをいつもの様にそんな風に諭してくれる筈だ。なぎらならばそうやってわたしを楽にしたと思うのだ。

https://youtu.be/M6udng054lw

「水の影」は松任谷由実よりもシモンズがいいですね。

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