沖縄食材

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沖縄の人たちは何を食べているだろうか。沖縄には沖縄の郷土料理と呼ばれるものが確かにあるがでは沖縄に住んでいる人たちは皆そうした沖縄の郷土料理を毎日食べているかというとそうではない。

正確なデータこそないが沖縄には美味しいステーキ屋さんが多い。そしていくつかのステーキ屋さんのテーブルでステーキを食べながら思うことはたいてい同じことで、なんでなのかは知らないけど沖縄では結構高齢のおじいちゃんやおばあちゃんたちがステーキをモリモリと美味しそうに食べているのだ。

ランチタイムにステーキランチを注文して店内をざっくり見回すとここはお蕎麦やさんだろうかと思うほどお年寄りが多い。だがそれはわたしが滞在した町が田舎だからだろうか。ひょっとすると那覇や観光地では違うのかもしれない。

沖縄にはスーチカーという塩豚がある。沖縄育ちの友人に尋ねると沖縄本島でスーチカーを手作りしている人はいないんじゃないと言った。ネットで調べるとスーチカーの作り方は簡単にわかるけれど友人曰くあれは冷蔵庫のなかった時代の保存食ではないかということだった。スーチカーは美味しい。

内地の人?

市場で沖縄野菜を手に取って見ているとこう言って沖縄野菜について教えてくれる人にもう何人も出会った。

先日わたしがうるま市の生鮮市場で手に取ったのはサラダヘチマという瓜みたいなやつだった。

そのウチナーの女性はサラダヘチマは去年から流行っている新しいヘチマで生で食べられるヘチマなんだと言う。わたしがヘチマを一度も食べたことがないというとそれならばこのサラダヘチマを食べるのがいい、このヘチマをサラダにして食べよと熱心に勧めた。

サラダヘチマの味は胡瓜なの?わたしが尋ねるとそのおばあちゃんはいや胡瓜ではない、胡瓜よりもさっぱりとしてクセがないと言って去って行った。

市場での野菜談議は本当に楽しい。ある日はわたしはなんとなくカゴに入れてみたうりずんを出して眺めていた。これは茹でてね。見知らぬ年配の女性が突然声を掛けてきた。味はインゲンなの?わたしがそう言うといやインゲンよりもさっぱりしててクセがないと言って去って行った。

ある時わたしはもーうぃのワゴンの前に居た。内地の人?来た。わたしはこれは何?と単刀直入に尋ねた。

もーうぃだ。彼女はきっぱりと言う。

それはわかってんだよね。味は胡瓜?それとも冬瓜?とわたしは尋ねた。もーうぃは胡瓜と冬瓜を足して2で割ったように見えるのだ。すると彼女が打ち返した。

どちらかと言えば冬瓜に近いが冬瓜よりも味が濃い。でも胡瓜よりはさっぱりしてクセがない。見ると彼女のカゴの中には大きなもーうぃが3本も入っていた。

ねえそんなに食べるの?

わたしがそう言うと彼女は大丈夫だもーうぃは皮が硬いから1週間は新鮮なんだと言い笑顔で重たいカゴを引きずるようにしてレジの方へ行った。沖縄の生鮮市場にはカートなるものはない。

さてわたしはそののち巨大な一本の緑色のなた豆を手に取り左右を見回す。内地の人?と尋ねてくれそうなウチナーのおばあを探して。