シェーラ・ソーシッスというのは挽き肉を塩漬けにしたものを指すフランス語で、ポー・サレというのもやっぱりフランス語で、こちらはかたまり肉を塩漬けにしたものを指す。というのは河出書房新社上田淳子「はじめてのシャルキュトリー」という本で初めて知った。沖縄から帰ってすぐにわたしがしたのはシェーラ・ソーシッスとポー・サレを作ったことだった。
肉は豚で塩の量は挽き肉でもかたまり肉でも10%である。10%を切るとカビが発生してしまうし、10%を超えると塩辛い。10%でも塩が多過ぎるという人がいると思うが塩蔵肉を減塩で作ることについての調査がまだ足りないのだ。塩が少ないと何かいいことがあるだろうか。わからない。
挽き肉の塩蔵を作るときは肉の温度が10度を超えないように氷水の中に浮かべた厚めのビニール袋で塩と肉を捏ねる。ビニール袋の中には四角い氷も2、3個入れる。氷はなかなか溶けないのでわたしは捏ね終わりで氷を取り出す。
挽き肉の塩蔵に少し砂糖を入れる。これはどこでなにを読んだのかを思い出せないのだがいつもティースプーン1ほどのグラニュー糖を加える。
沖縄の米軍基地のアメリカ人が朝食を食べる店でソーセージをオーダーするとこのシェーラ・ソーシッスを小さなハンバーグみたいにこんがり焼いたものが出て来る。わたしが食べたものはローズマリーとタイムが入っていたがわたしは自分で作るときはハーブは入れないことにしている。
ひょっとするとアメリカ人の店でも焼く直前に生のハーブを混ぜているのかもしれない。挽き肉は最低でも2日は塩蔵しなければ旨味が出ない。お店で食べたソーセージはそれほどハーブがキツくはなかったのだ。
沖縄から帰りもう何日も経ってしまった。500g作ったシェーラ・ソーシッスはもうなくなった。レシピの覚書きとして書こうと思いつつ思い返せば毎朝スキレットで焼いて食べていただけである。
なんとも芸の無いことだ。