2014-09-22から1日間の記事一覧

小説 丘の上から ①秋の章 3

眠れない夜の暗闇が視界を歪めていく。うつらうつら浅い眠りで見る不可思議な夢に動揺して、僕は激しい動悸とともに目覚めた。なにかに誘われるように木のウロを飛び出し、夜の森を駆け抜けた。口笛のような奇妙な音。風が吹いていた。木々は落葉をはじめて…