2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小説 丘の上から ①秋の章 6

僕はフライデーが美味しそうにサンドイッチを食べているのを見たことがある。 フライデーはキュウリのサンドイッチが好きだと言っていた。少しのバターとキュウリ以外は何も入れない、これが美味しいのさ、サンドイッチを食べながらそんな話をよくしたものだ…

小説 丘の上から ①秋の章 5

ステファン・グラッペリだよ。 うさおが言った。 うさおはジョージのハウスのキッチンでチーズソースのパスタを作っている。ジョージはデスクで書類に向かっていた。 ジョージのキッチンにはアウトドア用の鍋しかないのだと、うさおは笑いながら言った。うさ…

小説 丘の上から ①秋の章 4

それから数日後事件が起きた。 いつもように僕を訪ねて森へやってきたフライデーが、僕の居ないことに気づき、あちこち探し回り、スズカケの木の根元で気を失って倒れている僕を見つけた。フライデーはぐったりしている僕を大慌てでジョージのところに運んだ…

小説 丘の上から ①秋の章 3

眠れない夜の暗闇が視界を歪めていく。うつらうつら浅い眠りで見る不可思議な夢に動揺して、僕は激しい動悸とともに目覚めた。なにかに誘われるように木のウロを飛び出し、夜の森を駆け抜けた。口笛のような奇妙な音。風が吹いていた。木々は落葉をはじめて…

小説 丘の上から ①秋の章 2

縄張りとかテリトリーとか、ペットショップで生まれた僕にはピンとこない。 ジョージ・ピーターズは博学でリスについてはリスである僕自身よりも詳しかった。彼は極力むつかしい専門用語を避けてはいたけれど、話のほとんどは理解が出来なかった。僕はリスが…

小説 丘の上から ①秋の章

リスも夢を見る。 そこは広々としたところだった。あたり一面まぶしい光が満ちていた。耐えきれずに目を閉じた。怖々目を開けてよく見ると、白い光の中、少し離れた場所にフライデーがいた。言葉を話すことが出来ないはずのフライデーがこちらを向いて何か言…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

おはようございます。日に日に朝が冷え込みます。冬って何を着て走ればいいのかな。冬、ジョギングで検索すればいいのかな。 今日はちょっと暗い感じです。僕はもともとエンリオ・モリコーネがとっても好きなんですが、一番好きなのは「ワンス・アポン・ア・…

ルージュの伝言

角川書店編「季寄せ」は良い本だ。短歌よりも俳句、俳句より自由律俳句。渥美清は山頭火のドラマのオファーを受けていたそうである。もろもろの事情で実現しなかったそうだが観てみたかったと思う。 「季寄せ」はいろいろ出ているが角川のこれが良いと思う。…

ドアをノックするのは誰だ

おはようございます。最近取水型の水素水整水器を取り付けました。水素水が出ていますよの合図に電子音でアンパンマンのメロディが流れます。 朝晩は気温がぐっと下がりました。ちょっとひんやりしたけれどやっぱり半袖で走りました。約2キロを走って長女の…

見上げてごらん夜の星を

洗濯終了、片付け終了。本当はハーブティーを飲みたいんだけどコーヒー飲んでます。ロヒプノールはワンシートしか貰わなかったんですが、夕べも結局のんで眠りました。ジョギング効かないなあ。くすり無くなったらどうしようかな。どうしてもっと貰わなかっ…

デキシーズミッドナイトランナーズ

おはようございます。今日も走りました。空気がひんやりです。無料で聴ける音楽アプリでライブを聴きながら走りました。 今日からオートミールを食べています。どんぶりに大さじ3のロールドオ―ツをはらはら。ひたひたの水をかけてレンジで1分。メープルをか…

夢の人

どうやら私の脳内のジュークボックスは飽和状態で新曲が入る余地がないみたいだ。「夢の人」はビートルズの曲。歌は知らない。栗コーダーがカバーしたやつしか聴いたことがない。 悲しみや苦しみ、失意や落胆。マイナスの感情の到来には手も足も出ない。ほど…

聞かせてよ

約一ヶ月ぶりにジョギングを再開した。たった一ヶ月休んだだけなのに今日で3日走って筋肉痛がMAXだ。 人間の腰は椅子の様な構造をしているらしい。腰に負荷となるのは実は座った姿勢で、歩いたり走ったりしている間の負荷はそれほどでもない。ただしこういう…

you can't hurry love

大泉洋が観たくて「探偵はBARにいる」を観た。大泉洋はいいな。柴田恭兵にも松田優作にも無い何かを持っている。 「探偵は」自体はイマイチだった。特に暴力シーンの生々しさに閉口した。生まれてこのかたそういう映画が苦手である。殴り合うとか誰かが死ぬ…

オーロラの夜

東側のベランダの足場が外された。塗装のため、手すりに貼り付けていた簾を撤去しておいたからベランダはすこぶる見晴らしが良い。3歳になるメス猫が一生懸命外を見ている。 朝晩涼しくなったので眠る前にサッシを閉めるとニャーと鳴く。 王子様を待っている…