2015-11-21から1日間の記事一覧

連載小説 小熊リーグ㉜

その夜彼女は僕のベッドで朝まで一緒に眠った。彼女は眠剤を飲むと、僕に抱かれてすぐに眠ってしまった。眠剤を飲んだが全く寝付けなかった僕は朝方早く洗面所で歯を磨きもう1度ベッドに戻って、まだぐっすりと眠っている彼女にキスをした。 僕が初めてセッ…

連載小説 小熊リーグ㉛

僕は意を決して彼女に電話を掛けた。迷惑とかそんなことではない。彼女は極度の気分障害を起こしていたが、薬はそんなに沢山はないようなのでODを心配したのでもない。特別なことじゃない。なんでもないことだった。メールではなく、僕は彼女の声が聴きたく…

連載小説 小熊リーグ㉚

運ばれてきたパスタはクリームソースのショートパスタだった。 「これニョッキ?」泣きはらした顔で彼女が新海氏に尋ねると新海氏は頷いた。彼女はニョッキをフォークでひとつパクッと食べた。僕は安心した。そしてあることを思いついた。ボディバッグをがさ…

道端植物染色1〜草の名前

道を歩きながら木や草を眺めては染色を思い浮かべる。だけど煮汁に羊毛を浸してみないことにはどうなるかはわからない。乾かしてから煮るか、切ってすぐ煮るか、媒染剤は何を使うか、とにかく未知数である。 昔の人は染めた糸を機織りして布にした。格子柄に…