正田陽一「家畜という名の動物たち」中央公論社は古本だった。牛のことを調べていて、この本に行き着いた。本を選ぶのは図書館で、オンラインで検索しネット予約する。当時住んでいた埼玉の図書館は30点まで借りられたから、著者別に借りれるだけ借りていた。全部貸し出しですか?とよくカウンターで尋ねられた。

正田陽一の著作はほとんどが禁帯出の図鑑である。「家畜という」を読み、この人の家畜愛に強く感動した私は会ったこともないこの正田陽一というおじさんの虜となった。入手出来る本をAmazonで購入したがびっくりするほど安い。安いのは嬉しいんだけどちょっと悲しい。

「家畜という」のp44に家畜化しやすい性質6項目というのがある。そこにカッコ書きで家畜化しにくい性質も書かれてあって、しやすい、の説明に比べて、しにくい、の説明が少ない。しやすい、の方は長文なのに、しにくい、の方は単語だ。警戒心強く臆病。狭食性。低適応性。獰猛、迅速。読んでると正田氏が顔をしかめて「こんなのは嫌だ」とでも言うかのようであり、ほとんどが当てはまる私は悲しい。私は正田牧場では飼ってもらえないのだろうか。畜生。

自分が何故にこれほどまでに家畜に感情移入するのか全くわからない。自分が家畜だったらなんだろう?などと全く間抜けな空想をするのだ。家畜には大きく5つの役割がある。荷役、これは荷物を運ぶ。出来ないな、うん。搾乳、更年期だし無理。食用、私マクロビだからこれ認めない。毛皮、たいして美しくもないからこれも無理。5つ目はいけそうだ。コンパニオンアニマルである。

ねえ獰猛、迅速なんじゃないの?usaoが言う。これも無理か。 畜生。

モンゴルやチベットにヤクという牛がいる。日本にも幾つかの動物園で見ることが出来る。ヤクはいい。ヤクほど良い家畜としての性質を身につけた動物はいないのではないか。アーロールという硬い、かりんとうのような乾燥チーズがある。食べたことはない。歯が折れるほど硬いというこのヤクのチーズを1度食べてみたい。写真で見るヤクは広々とした草原で悠々と過ごしている。そしていつも綺麗な布を体にかけている。ヤクは輸入出来ないのかな。それとも日本は暑過ぎて暮らせないのかな。じゃあこっちがモンゴルかチベットへ行くしかないな。

私が小学生の低学年の頃、マリがよく美空ひばりの「柔」を歌ってくれた。たぶんこれテレビドラマだと思います。主題歌だったような気がする。柔道は嫌いだったが、私たちは柔という歌が大好きだった。今でも気がつくと口ずさんでいる事がある。カッコいい歌だ。カラオケで歌おうとするが柔はむつかしい。どうしてむつかしいのかな。たぶん私という人間がまだまだ青いんだな。ということは私はまだ今も一生一度を待っているということか。唸る。

マリの18番は園まり「逢いたくて逢いたくて」。小さいころこれ歌ってて、よく母にパコーンって頭叩かれた。マリは園まりのマリなのかな。好きなのよ〜好き〜なのよ〜。

牛が?

そうだよ。牛だよ!