流星ビバップ

流星ビバップ小沢健二の曲だ。

usaoはサンドイッチの専門書を調べ始めた。定番のサンドイッチレシピを次から次へとリストアップしてモレスキンに書き詰めていく。

elleはカトマンズのリサーチで忙しい。彼女には珍しく地道にシュミレーション。どうやらわかり始めたようなのだ。あたしたちは体はひとつ。それも更年期のおばさんなんだってね。

2日前友人宅を訪ねた。

ダンボール箱にいっぱいの古い切手をくれるという。アナログ人間の私は手紙派で、切手は嫌いじゃないけれど収集する趣味はない。じゃ、ちょっとだけ、ともらってきた。

老眼の始まった眼を凝らしつつ、1枚1枚を眺めている。

素晴らしいではないか。

そのうちにどこの国の切手であるとか、何を記念した切手であるとか、気がつけば一心不乱に調べ続けていた。

ラアスアルハイマ。中東のアラブ首長国連邦のひとつ。サンマリノ共和国。イタリアの中の極小の独立国。

ためしにインスタに美しくも出処の果てしなく遠いそれらの国の切手を1枚1枚挙げてみた。来た。人が住んでいる。世界は確かに存在していた。

usaoはサンドイッチ作業をせねばと焦る。

elleちゃんはなんで夜更かししたの、走れなかったと不満気だ。

切手をくれた友人に電話をかけて丁寧にお礼を言い、ダンボール箱全部をいただきにいく約束をした。

友人は病床で入院を控えている。

私は友人のこれからの闘いを励ますつもりがまたしても的外れ。そうか、切手にはまったか、と友人は大笑いだ。

退院したらカフェに行こうね。

美しくて小さい、だけど大きな大きな本物の世界をありがとう。