パトナムー多重人格性障害: その診断と治療

生姜酵母をくれたオーストラリア人のシェフは三女の婿の職場の同僚である。生姜酵母で立ち上げた元種は相変わらず元気である。3日に1度は強力粉と水を足してリフレッシュする。

夜寝る前にパン生地を仕込む。中力粉とバターのパンが続いた。今夜はライ麦パンにするか。それともリスティックにするか。

シナモン風味のサツマイモをゴロゴロと入れてみようかな。それからチーズも。元種で仕込むパン作りは慣れると楽だ。仕込みは15分ほどで終わる。オーバーナイトして早朝焼き上げる。

久美薫「宮崎駿の仕事」を読んでいる。なかなか面白い。何かを作るというのは結構苦労だ。きっと台所で毎日パンを作る作業がわたしはとても向いている。不味いパンを作ってもこれはなかなか減らないエコである、と家族はコメントをくれる。

こういうものが欲しいのだと暗黙のうちに要求されて作りたくも無いものを作らされる。自分の気づかぬうちに作りたいと思わされたものに執着しいつしか自分を見失う。昔友人のダンサーが誰かに嘘をついたりするとなんだか上手く踊れないんだよと教えてくれた。作った何かが作品の良し悪しを超えて伝えるものは数値化出来ない。感動や癒しは心の奥の方で起こるからだ。

DIDの病理を記号化することは簡単だ。何年の何月何日、誰が何をしたのかとひたすら思い出すことは果たして有効か。

人格のひとりひとりの行動には明確な動機がありそれらが作用反作用を起こしてゆく。

散らかった箱の中を片付けるだけでは済まないのだ。わかったようなことを書いているが脚本の無い舞台はただただ沈黙である。一体どうすればいいのだろう。

人間を黙らせる圧力はいろいろある。圧力は内面からやってくる。罪悪感それから不安、恐れと恥ずかしさ。周りを見回すな。よく見ろ今わたしたちは生きているのだ。何度も顔を見合わせよう。

止まるわけにはいかない。動機は一つ。生きてゆくことをやめるわけにはいかないからだ。生きてきたからこそ人格は生じたのだ。そうだよね。エンドロールにはまだだいぶ早すぎる。