夏①

種を蒔く独り往き来の畑かな

命綱まだまだ切らず朝が来る

ブログ読み一人ひとりに川流れ

音もせず胸の花火の開きけり

死にたいと顔トンガリて肩叩き

蛇の跡厳かな時の流れあり

インターホン花を数えて待っている

昨日今日畑休んで日日草

ジャガイモの花夏色の空があり

週末のカフェこつこつと床が鳴る

モレスキン長四角といふ良きかたち

あをあをとして生きている今もまだ

夏草やベースボールの声近し

草いきれひとり自転車走り出す

蔦青し貴方は今日も生きている

葦揺れてわたしとわたしとわたしとわたし

屋上でひとり夕焼け空を見る

カタバミを見ている人の美しさ

立浪草コンクリートを割って咲く

薔薇白く今日もしぶとく生きている