大竹まこと「こんな料理で男はまいる」

枝豆や獅子唐の収穫。除草作業にマルチング。毎日が忙しい。そしてなかなか収まらない希死念慮。死にたいのだ。とりあえず久米仙とイエーガマイスターを買う。飲んでもぐっすりとは眠れない。

 先週の後半は記憶が途切れ途切れ。モンベルの登山用の杖で自分の右脚を殴っていたところを主人に押さえられたらしいがそれすらも覚えてはいない。明け方に家を出て三女の家に辿り着いた。今どこ?何してる?メールの嵐。それもまたうまくは思い出せない。

 何度も卒倒して倒れる。病院に連絡。予約を入れるだけで入院などはしない。

 このままではダメになる。わたしだけの問題ではない。なんとかしなければ。DIDはむつかしい。不調のきっかけが迷宮入りだからだ。

 薬に頼るしかなかった。とにかく眠る。起き上がり家族の顔を見ると涙がポロポロとこぼれた。情けない。死にたい。死なせて欲しい。もう終わりたいのだ。何もかもをここで終了にしたいのだ。だがわたしは腐っても親だ。そして今では5歳の祖母だ。

 朝顔咲いてるよ。長女が教えてくれた。泣きながら朝顔を眺める。薄い、淡い、青い朝顔

 日曜日。主人がとんでもない提案をする。きみは青春18切符でこの夏は一人旅に出るんじゃなかったの?畑で何がしかの収穫をした帰り緑の窓口で青春18切符を買った。

 どこへ行こうか。

 時刻表をいつまでもいつまでも眺めた。やっぱり北海道にするわ。仙台で泊まる?埼玉の友達に会う?いや、フェリーで行くわ。フェリーで北海道に入る。そして乗り放題電車に乗る。

 北海道の友人はお盆は親戚の行事でいろいろと忙しいらしい。では札幌ステイ。登別クマ牧場。ノーザンホースパーク。開拓の村。丸山動物園。1日くらいは東へと電車を乗り継ぎ根室までいってみようか。稚内にも行こうか。サロベツはどうだ。

 とりあえず札幌の宿を取れるだけ取った。

 必ず帰ってくるから。

 心配しないで。

 ここ数日大竹まことの本を読む。

 悪女の深情け。主人は素敵な人だ。わたしを信頼してわたしを理解してくれている。

 そっか、木彫り熊の学芸員さんにも会わなくちゃね。

 まだまだ調子は戻らないが旅行までには元気になると信じて頑張ろう。

 とりあえずインスタで薔薇の写真を眺めている。

 薔薇ならなんでもいいのよね。

 薔薇が好き。

 まだ死ぬわけにはいかない。