昨日午後造形作家のY氏に狸小路のアンティークショップを幾つか案内してもらう。大量の木彫り熊を次から次へと見るうちにそれがお土産品であろうと、量産された鮭喰い熊であろうと一匹一匹に生い立ちがあり、生産地や年代で括るべきではない、そんなことを考えずにはいられなかった。
アーケード街が大好物なわたしは今日再びいそいそ狸小路へと繰り出した。旭山動物園もノーザンホースパークも登別クマ牧場もまだ行っていないよ。もうひょっとしたら今回は行かないかもしれないな。
朝いち北大図書館へ北方資料を検索するべく出掛けたが土曜日は閲覧不可とのこと。まあいいや。北大キャンパスの樹はどれも大木だなぁ。学食でチーズカレー小307円をパクパク。これが北海道へ来て初めての食事。プンパニッケルとカツゲンではやはりパフォーマンスが落ちてきた。
覚束ない記憶を頼りに狸小路商店街をキョロキョロ歩いていると雑居ビルの前にご婦人が立っていた。昨日Y氏と訪ねたテディベアショップの店主の女性であった。
TEDDY BEAR HOLIC。コンパクトな店内には小さな動物の縫いぐるみやオブジェがたくさん並んでいる。
あの木彫り熊在りますか?
昨日この店で見かけた体長3cmほどのミニチュア木彫り熊がずっと気になっていた。口をがぉーと開けベロは赤く上下の顎にはちっちゃな白い牙もついていた。
あれ、お向かいさんに譲ってしまったの。
わたしは向かいのショップを覗き込んだ。店は数十分前に閉店してしまって中には入れない。よく見ると奥の方にその小熊が陳列されている。
ではあの縫いぐるみは?
女性は四角い籠にギッチリ並んだ廉価なテディベアを奥から出してくれる。これこれ、この子、ください。300円。
良かったら座ります?はい。椅子を借り一服させていただく。見回せばわたしの周りは動物たちでいっぱいだ。
わたしは縫いぐるみはシュタイフしか知らない。聞いたこともないドイツ製の高価な動物のオブジェをひとつひとつ手に持たせてもらう。しぇー、可愛いー。
これはアメリカで買った熊だけど、元はカナダの熊みたいね。
それは小さな木彫り熊だった。わたしは熊の顔をじっと見た。涼しげな目鼻立ち。うん、外人だな、これは。
そののちもまるでお友達を紹介するかのように女性は動物たちを見せてくれる。楽しいね、こういうの、いーね。
陶で出来た水鳥、ビロードの灰色兎はどちらも体長5cmほど。どうやらわたしはこのサイズに弱いようだ。安いテディベアとベアーにピッタリの黄色いショルダーバッグも付けてもらうことにして占めて千円を支払う。
時計台、赤レンガを見学して宿に戻り、セイコーマートのゴクゴクグルトを飲みながら谷口ジロー「神々の山嶺」の続きを読む。
この宿には「狼は帰らず」もある。読み切って帰ろうっと。
札幌ステイ、楽しいな。
狸小路のテディベア専門店はこちらです〜