「サンダーバード ARE GO」を観ました

北海道旅行から帰宅した夜、夕食に唐揚げを食べたらお腹を下して大変な目にあった。二週間ほぼライ麦パンとヨーグルトで過ごしていたので、多分胃腸がびっくりしたのだろう。

わたしと長女は月曜から金曜までは毎朝、家族全員分の弁当を作るが、わたしの旅行中も長女はひとりで朝の弁当作りは続けていた。弁当のメニューは定番化している。毎週五種類の弁当を作ることが決まっている。

鶏の唐揚げ、ハンバーグ、シュウマイ、プルコギ。そして塩鮭をのせた海苔弁の五種類。順番は変わってもこの五つの弁当は固定化されている。そんなにいろいろなものを食べなくてもいいからということでいつしかこうなったのだ。作り方等は一冊のノートに詳細にレシピ化してある。これで誰が作っても同じ味だ。

早朝5時、長女と2人なんやかんや話しながら弁当と朝食を作る。長女はわたしの旅行中毎日YouTubeサンダーバードを観ていたらしい。サンダーバードとは懐かしい。わたしの子ども時代のイギリスのテレビ番組だ。

ママは5人の中で誰が好き?

海外ドラマが大好きだったわたしはサンダーバードに夢中だった。トレーシー家の5人兄弟をよく覚えている。わたしは小学生くらいか。

当時わたしの家には父の経営する一斗缶を作る工場が併設されていた。わたしの父は長男で父の下には年の近い弟が7人いた。

本当に馬鹿みたいな話で恥ずかしい。幼いわたしは何人かの叔父たちをトレーシー家の五兄弟に当てはめていた。笑える話だ。

次男のバージルは人当たりが円満で仕事が出来た。外回りの営業を引き受け、事務所で朗らかに電話対応する叔父がいて、わたしはその叔父とバージルとを重ねあわせていた。

ジョンは宇宙詰め勤務、だから人が嫌いだ。統合失調症を患う無口な叔父はジョンだった。

ほら、マミちゃんおいで、そう言ってバチバチいう溶接の火花を溶接マスク越しにしょっちゅう見せてくれた少々荒っぽい叔父もいた。彼はゴードン。

キャッチボールとボーリングが大好き。兄弟で唯一大学へ通う快活な叔父は末っ子アランとした。

もちろんこんなおかしな昔ばなしを今長女にするわけにはいかない。だって父の弟たちは一人として真っ当な人生を歩めなかった。傷害や賭博で警察に出入りしたり、発病し精神病院に入院したり。インターナショナルレスキューが笑わせるわ。まずは自分の人生の舵取りをだ。

長女はどうやらスコットがお気に入りだ。スコットは何をやらせてもスマートでかっこいいと言う。スコットの私服はトラッド。クレリックシャツにスラックス、ワラビーを履いている。

長女曰くスコットはポーカーフェイス。どんなに緊急事態でもけして弱音を吐かない。

あたし、スコットに成りたいのよね。あたし長女だから、長男のスコットの気持ちがわかるのよね。

ふうん。

長男であるわたしの父はけして、断じて、間違ってもスコットではなかったな。父は背が低くて足が短い。スマートな部分はどこにもなかったな。そわそわして落ち着きが無く、いつもオドオド何かに怯えていた。働くことが嫌いな怠け者。考えごとをしながら歩いていたら溝に落っこちるようなおっちょこちょい。酒癖が悪く綺麗なお姉さんが好き。あーあー。長男だっていうだけで、スコットとはだいぶ違うよな。

スコットみたいなバードボイルドはじっさいには存在しないね。それにスコットからしたらバージルはなんでも出来て自慢気なんがイラっとするわ。

まあね。

ゴードンは本当は乱暴なのを隠してる。

あーわかるわかる。

ジョンはすっごく寂しがり、アランに至っては児童労働やわ。

笑。

知ってる?サンダーバード新しくなったんだよ。ママ見たことある?いや、ないよ。

で、ママは誰が好きなのさ。

うん。‥‥あたしずっとレディペネロープやってたけど、もうそろそろ普通のおばさんに戻ろうかな。

‥‥‥。

さあ今日も1日、

サンダーバード ARE GO❗️”