Mr.Children 手紙

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数日前からMr.Childrenのアルバム「深海」を聴いている。毎日何時間も「Q」を流し続けていたがGW休暇に入った主人からいい加減にCDを替えてくれないかと言われ「深海」を流している。

「Q」はいい、まるで「Q」という題名の一曲のように聴こえるなどと思っていたが「深海」は曲と曲のあいだのブレイクが無いように聴こえる。ところがブレイクが無いと逆に次から次へと曲が独立して聴こえてくる。

わたしは流れに逆らうように「手紙」という曲ばかりを聴きがちである。「手紙」が通り過ぎて暫く経つともう一度聴いてみたくなる。この曲が好きというのではない。桜井和寿が伸び伸びしているように聴こえる。だからストレスフリーなのだ。

思い込みだ。思い込みでストレスを感じたりストレスから逃れたり。

今日は眼科へ行った。連休の中日で混んでいたが、初診の眼科へは行きたくなかったので診察券を持っている以前住んでいた家の近くの眼科を受診した。最後に会った時は確か茶髪で黒縁メガネをかけていて芸大生みたいな可愛らしい女医さんだったが、久しぶりに会う彼女はろうたけた品の良いドクターになっていた。

6年会っていないにも関わらず彼女はわたしを覚えていた。眼球が渇いていくという膠原病がある。当時わたしはその病気のせいで眼球に小さな傷が沢山あった。また痛むの?彼女はそう言って必ずわたしの肩や腕に触れた。それも変わっていない。うん、今日1番痛い。暗室で交わす会話も同じ。わたしはまるで催眠術に掛かったように素直になる。

ねえ綺麗だよ傷は無いよ。どうやら眼球に異常は見られなかった。彼女は今日は傷は無いけれど念のため目薬を出すと言い、老眼がはじまる時に眼が痛む人がいる、それだったら今度老眼鏡を作ろうか、と言って部屋の明かりを点けた。

薬局へ寄り、帰宅して特にやることがないので早めの夕ご飯を作る。頂き物のサヤエンドウを蒸したり、鱈を焼いたり。冷凍のハッシュドポテトと春キャベツをニトスキで焼く。

眼球に異常がないのに何故こんなにも眼球が痛いのだろうか。また沢山本を読んでるんでしょ。うん。診察室での会話がリフレインする。

今週結婚記念日。昨日届いた主人からのプレゼントは二段ベッド。新品だった。スギ材の無垢。嬉しくて暫し呆然となる。

眼球の痛みと二段ベッドは関係があるのだろうか。アマゾンで買ったレネ・カリエの身体の痛みと機能障害の専門書が届いた。

木の香りのする二段ベッドの上の段でこの本が読みたかった。それで眼科へ行ったのだが目を開けていられないほどの痛みは収まったようである。

わたしが時折視覚障害の本を読むのは長女の病気のせいだ。長女は1歳のころに角膜ヘルペスにかかり、処置が遅れたせいで角膜に傷がある。1歳の長女の角膜は頻繁に炎症を起こした。大学病院の眼科医はお母さんもしかしたら娘さんは失明するかもしれませんと言った。

丁度角膜ヘルペスの特効薬が出始めたころだった。眼科医はヘルペスは薬の耐性をつけるから特効薬は使わないで治しましょう、と言う。その眼科医の治療法は長女にストレス耐性をつけるというものだった。

お母さんがうろたえていたらダメなんです。眼科医はわたしに言った。わたしは失明しても死ぬわけではないと開き直ったのを覚えている。

今のところ長女は視力を維持している。角膜ヘルペスは治らないと言われている。

わたしは辛かったが長女も辛かった。眼が痛いのだ。きっと長女はすごく眼が痛かったことだろう。

そんなことを思い出して泣いているのだ。

この眼球の痛みはひょっとして沢山泣けば治るかもしれない。

そんなことがカリエの本には書いてあるのに。

眼が痛くて読めないんだよな。