文藝春秋 米原万里「旅行者の朝食」

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https://youtu.be/ZC6q12AQGhk (おはなし/キャッスル&ゲイツ)

旅行から帰り数日が経つがとにかく本を読んで過ごしている。本を読んでいないときはこうして何か文章を書いている。読むか書くかである。

期限の迫る図書館の本たち。米原万里は文章が上手い。無駄のない言葉選び。読みながら書き手のこころの近くで何か大切な景色を見させてもらうかのようでドキドキしながら読んでいる。

清流出版「マイナス50度の世界」は江戸時代にロシアへ漂流した大黒屋光太夫の足跡を辿ったルポだった。今回借りてきた本の中では1番新しい本で写真も美しく、児童書なので脳に優しく読み終えるのは易しかった。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実」「真夜中の太陽」「真昼の星空」。これらはエッセイ集であった。「旅行者の朝食」は食べ物に特化したエッセイ集である。なかなか興味深い。

東京書籍 大島ちか子「ドイツおいしい物語」はドイツ関連の食べ物エッセイの中では今のところ1番内容が良い。ロシアとドイツ。けして混ざったりしない。

読書に夢中で食事作りが手抜き過ぎてこれは調理と言っていいものやらという何かをこの数日主人にも食べさせている。基本は野菜スープと蒸し玄米である。

野菜はキャベツやセロリを玄米の上の段で蒸して後ほど器でお湯に放して塩味をつける。玄米は上にパンチェッタをぱらぱらと乗せて蒸す。熱々のところに削ったゴーダチーズをわあっと乗せる。黒胡椒をはらはらとやる。主人は美味しいと言って嬉しそうだ。

わたしが留守のあいだに主人が何を食べていたのかははっきりとはわからないが主人はほとんど何かをスキレットで焼いて食べていたようだ。男は皆生れながらにスキレットを扱えるようだ。

夕べは蒸し玄米に高知で買って来た飯盗(はんとう)の瓶を出した。飯盗とは鰹の胃で作った酒盗である。いわゆる塩辛だ。これがビールにもご飯にもとても合う。思ってたのと全然違うので驚いた。臭みがない。わたしは臭みが好きなのでちょっと拍子抜けである。

今日は読書しながら南瓜を蒸した。潰してポタージュにした。卵を消費するためにあとはジャガイモとソーセージでスパニッシュオムレツでもやることにしよう。ジャガイモは瞬殺だ。購入したその日のうちに皮ごと蒸し上げられてしまう定めなのだ。

お昼に南瓜のポタージュと納豆というジャンクではないがどこか不毛な感も否めない昼食を摂っていると図書館から電話で荻巣樹徳「幻の植物を追って」が入庫したと言う。思っていたよりも早かった。雨の中を往復1時間弱歩き、図書館までお取り寄せを取りに行った。

嬉しいな。早く読みたいよ荻巣樹徳。

荻巣樹徳は薔薇の原種を捜して中国四川省へ旅に出るのだ。

ロシアとドイツ。そして中国である。

キャッスル&ゲイツのおはなしを聴いている。安らぐ歌である。