真夜中のギター

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午前中友人に道の駅まで連れて行ってもらい野菜を買った。今日も産直の棚の上は混沌としていたけれどひな壇で脚光を浴びていたのは明日葉だった。ひと袋に3株入りで170円。高いのか安いのかわからない(他がみんな100円だから)が、生食したくて速攻GET。

あと綺麗なクレソンもあった。ふと見るとすぐ隣のおばさんはクレソンを3袋も買っていた。何するのかなあ、クレソンでキムチでもつけるのだろうか。まあ出来ないことはないし、美味しいだろうな。

鉛筆より細いアスパラ。洗って水切りして袋にわーと詰めただけの青じそは結構入ってて65円。どうせザクザク切るから茎とか揃えてなくてもいいもんな。

友人が呼ぶので行ってみると南瓜の大きさとカタチをした緑色のズッキーニが山積みされていた。これは、という瞬間にカゴに入れないとというモードになってるわたしはとりあえず一個GETする。友人はなにやら説明書きを読んでいる。

「生で食べられます!

スライスしたり、千切りにして

塩とオリーブオイルでサラダに!」

おお、おおおお、笑、ぶち込みだよ、これはぶち込みだよ。わたしは水曜どうでしょう大泉洋風に半笑いで言う。ん?ぶち込みって何?戸惑う友人を放置してわたしは元居た棚の野菜の物色作業へと戻った。

帰宅後明日葉と丸ズッキーニとクレソンのぶち込みサラダとベーグルで昼食。曇っていて室温が低かったのでピアノを弾いて遊ぶ。なんやかんや基礎トレを弾いてミスチルを数曲慣らすとなんとなく「真夜中のギター」を弾き語りした。

愛を捜して

何かを求めて

彷徨う

似たもの同士なのね

「真夜中のギター」は中1の夏のわたしたちなんちゃってフォークデュオの定番だった。ふうん、こんな歌詞だったのか。わたしは主旋律の上をハモった。サビはウーアーコーラス、エンディングは2度繰り返してスロウテンポでおわる。

覚えてるもんだなあ。もう40年近く前のことなのに。

わたしは歌い終えるとピアノの蓋を閉め長女の家までとぼとぼと歩いた。

突然具合が悪くなった。眩暈と吐き気が止まらない。急いでエアコンの部屋に行かなきゃと思ったんだけどさ、こりゃ熱中症じゃないよなあ。

暑さではないのだ。わたしは愚図でのろまのわたしが情けなく、仕損なった幾つもの後悔が苦しい。

町を出て行った彼女に、わたしから率先して会いに行くことは1度もなかった。わたしはいつだってそうだ。今もそうかもしれない。しなやかにさり気なく舞台の脇から現れてすっと手を差し伸べて去るというような、そういう優しさというものが無いのだ。

町のどこかに

寂しがりやがひとり

今にも泣きそうに

ギターを弾いている

だけどわたしたちはずっと笑ってたよね。今どこで何をしてんだろうなあ。わたしはやれるで。今でもハモれるで。そしてなんつっても今はね、ミスターチルドレンに夢中なのさ。