今日診察日。待合で年配の女性患者が語り続けていた。何を言っているのかがわたしにはわからない。わたしは段々苛々してきた。限界がきて立ち上がる。看護士のところへ行き、あの語りを聴いているとどうにも気持ちが苦しいと訴えた。
本日の診察覚え書き。なかなかに収まらない身体の不調。わたしは漢方薬を持参。これが効くんですが。
その他もろもろ、なんやかんや話す。無人島の話。昔の同僚たちの思い出の話。Mは真夜中冷蔵庫のマヨネーズを食べていた。朝まで飲んで出勤し、また飲み歩いて適当な誰かの部屋で寝てしまう。年頃の女の子が風呂にも入らなければ洗顔もしない。
わたしが店を辞めて復学すると彼女はあたしいちど大学へ行ってみたいのよとついてきた。しらっと教室のわたしの隣に座っていた。帰り道パチンコ。雑貨屋で万引きゲーム。笑い転げて帰る道々わたしたちはその日捨てネコを拾った。ネコは大通りの交差点の真ん中で右往左往していた。彼女はそのネコを抱いたまま結婚して離婚した。
あの子はルイジアンナ
いつでも男をダメにする
甘い唇ふるわせて(キャロル/ルイジアンナ)
診察を終えて矢沢永吉を聴きながら高速道路を帰る。
矢沢永吉いいなあ。帰宅後youtubeでYAZAWAを観る。この永ちゃんはちょっとチンピラみたいでいいなあ。
あの頃は毎日がめちゃくちゃだった。楽しかった思い出なんてひとつも無かったとわたしが自分に長年言い聞かせてきたのは悲しい別れを思い出したくなかったからだった。
(矢沢永吉/いつの日か)
わたしもまだまだ、成りあがりが足りないわ。