ヴァーシャ・プルジーホダのワルツ

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先週愛知県瀬戸市の岩屋堂という国定公園へふらりと立ち寄った。もう紅葉もすっかり終わり観光客は疎ら。枯れ木を見に行った。滝まで行った帰りがけ熊に注意の看板を見た。

「東欧革命」は辛い本。著者はハンガリーの本をこれより先に書いていてそれも読んでみたい。1989年の5月ハンガリーはオーストリア側の国境を解放した。2人の国境警備兵がニッパーで鉄条網の切断をする笑顔のモノクロのスナップショット。

イザベル・フォンセーカはまだアルバニア。ロマは本を読まない。詩人であり歌手でもあったあるロマの女性はその歌声をメディア取り上げられ賞賛されたが居場所を失い狂気の中で亡くなった。詩人が民族や国家を歌うことの禁忌についての何冊かの教科書を読んでいればそんなことにはならなかっただろう。いやそんな教科書を読まなかったから彼女の歌には人気があった。

辛くなると新潮文庫「ヨーロッパ鉄道旅行」を読む。宮脇俊三はビビリながらもヨーロッパを駆け抜けた。この世界で自分とつながりのないことなんてないのだと貪欲に車窓に張り付いた。

ヴァーシャ・プルジーホダ(Váša Příhoda, 1900-1960)はアルバムのラストの1曲。このワルツがとても切ない。ヴァイオリンが奏でる泣いているようなピアニシモ。今日はなかなか朝が来ないなあ。

東欧のある劇作家は逮捕に備えて獄中生活用品一式を詰めたスーツケースを持ち歩いたとある。スーツケースとは此れ如何に。詩人は己れの脳味噌を護る。

いつでも微笑みを。

そうだこんなときはミスチルだな。