望郷

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手嶌葵'朝ごはんの歌'


薩英戦争の秋から翌春三月までアーネストの日記は空白だった。アーネストは英国へ帰国したい旨父親へ書き送り父親は帰国を歓迎、英国にて法律を学ぶなら金銭的な援助をすると返信したがアーネストが帰国を断念したのはその金銭的援助も一因となった。兄たちに妬まれながらの実家暮らしが窮屈でならなかったのだ。アーネストは日本での暮らしは不道徳なものである、と日記に何度も書いたが実際の彼の日々の暮らしぶりはどうだったのだろう。萩原延壽(のぶとし)も何も書いてはいない。二十歳のアーネストはこうして日本学者になる決意をしたんである。初の翻訳本もプレスされた(雑誌に連載というカタチではあったが)。日本に滞在して一年半。同僚の医師ウィリスが兄に宛てた手紙にはアーネストの日本語力は素晴らしいものであるとある。方やウィリスは故郷へ帰りたくとも帰れない理由があった。ウィリスはこのあと神戸に住むんだっけ、鹿児島だったっけ。昨日春の嵐。須磨の海、荒れてましたな。