猿渡のまんじゅう

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キャンディーズ'あなたに夢中'


いつだ、いつ気付いた。苦労して侵入した榎本の部屋にそれらしいものは見つからなかった。何故だ、何故バレたんだ…。猿渡は策を練った。缶コーヒーとまんじゅう。休憩中の榎本に声を掛けた。榎本は猿渡が差し出したまんじゅうを手に取るとそれを大事そうに作業服の上着の右ポケットに入れた。


猿渡は待った。するとしばらくして榎本は左ポケットからよく似た酒蒸しまんじゅうをひとつ取り出し、今度はそれを猿渡に手渡した。榎本君は旧型か。榎本はうなづいた。


猿渡、あんたは新タイプなんだろ。猿渡は受け取った酒蒸しまんじゅうを丁寧に剥いて、美味しそうにかぶりついた。


いいことを教えてやろうか。旧型は食べなくてもエネルギーをチャージできる。ふん。猿渡はこしあんを缶コーヒーで流し込んだ。