煮物②

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錦織健'エストレリータ'


週に何日かは無水鍋で煮物を作る。朝起きてまず煮物を仕込む。朝食は食べない。精神科の薬のせいなのか秋になるころから夜は10時間くらい寝ている。主人は1人で朝食を食べて早朝に出勤。1人の台所。服を着替えるとまず冷たい水道水で根菜を洗う。根菜を選んで煮込んでいるわけではなく煮物が美味しい食材の組み合わせのパターンを私は見出したのだがレンコンやゴボウなどの根菜がどうしても必要である。もちろんそうした硬派な根菜をひとつも使わない煮物も考案した。レンコンというのは自分が一番優れているのだという驕り昂った風情がある。輪切りにしたときに現れる空洞が自慢なのだ。それに対してジャガイモは寡黙である。それが買ってきたばかりのジャガイモであっても沈黙のうちに今日の出番を待っていたという誠実さがジャガイモには溢れている。さてちくわぶである。君は生麩の中では見た目もカタチも根菜たちに劣るではないぞ。行けちくわぶ。一口大のちくわぶを鍋に放つのだ。