ペンギン



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BTS  134340


ラベンダーとレモン汁入りのカトル・カールを何回か作った。小さなオーブントースターで焼くが慣れてくると時間でトレイを回転させたりして、この辺を次に焼いてくださいよ、とやってるがオーブンの温度が下がるから扉の開け閉めはあまりしない方がいい。





カトル・カールのバリエーションにガトー・ショコラがある。辻調はガトー・ショコラ・ド・ナンシーを載せている。ナンシーはアルザスに近い町の地名で、ナンシーのご近所のメスにも特徴的なガトー・ショコラがあるらしい。レシピによるとナンシーのチョコケーキはチョコレートたっぷり、アーモンドの粉たっぷりのカトル・カール風。メスのチョコケーキはどんなケーキだろう。信頼できる情報では薄力粉入りのジェノワーズだとある。






何年か前、温帯に住むペンギンについて書かれた本を熱心に読んだ。ケープ、マゼラン、フンボルトガラパゴスは顔の模様で種を見分けるがさて、雑種は生まれないのだろうか。雑種の繁殖により、ペンギンの顔の模様のバリエーションはどんどん増えてしまわないのだろうか。






20世紀以降の戦争。国家主義民族浄化思想は雑種の概念を生んだ。わたしという雑種ペンギン。実在するフランス国内のガトー・ショコラは多種多彩だが、ガトー・ショコラはペンギンとは違い、その見た目ではナンシーとメスの違いがわからない。パクっと食べるとね。わかるのかな。ああナンシー。これはメス。






昨日娘の作ったダグワーズを食べたが大変美味しいダグワーズだった。ダグワーズはメレンゲとナッツの粉で出来ている。ダグワーズは外側が乾燥していて中はしっとりしている。メレンゲの大敵は油脂と言われている。ダグワーズでは敢えて油脂たっぷりのナッツ類の粉を真っ向からメレンゲに立ち向かわせていく。






どんなに強いメレンゲも潰れるときがくる。意外に思われるかもしれないが、ナッツ類は目の細かいパウダー状にしてしまうと油脂が多く出てメレンゲは嫌がる。バサバサ粗めのナッツ類はメレンゲと相性がよい。






わたしというペンギンも、幼いとき、雑種かどうか尋ねてこない粗めのナッツ類に幾度となく命を救われた。しかしながら何度潰されてもわたしというメレンゲは消滅することがない。まだ生きている。ペンギンとわたし。ケーキをいただいて。確かにこれは全てに勝る幸福な午後です。