
https://open.spotify.com/track/3NP9s4shINuAVMObKDVUdA?si=QtWICxkBRg2VWmLIkO8FRA
千賀かほる「真夜中のギター」
草野マサムネのラジオを聴いていたら「真夜中のギター」が流れたのでとても懐かしかった。先週友人と映画館に行った。キムタクの「教場レクイエム」を観た。わたしは中学1年の時、自分は将来は自衛隊か警察学校に入ろうと考えていた。
教場レクイエムは振り切ったエンタメでとてもよかったし、「真夜中のギター」という曲にはちょうどその頃の、わたしが警察学校に入ろうと思った時代の思い出が沢山ある。沢山あるという言葉が全く馴染まないほどである。真夜中にギターを弾くわたしは警察学校へ入ろうと決めた、とでも書き始められそうな幅と奥行きのあるわたしの物語である。
わたしはドーナル・グリーソンというイギリスの俳優さんがとても好きなんだけど、「グッバイ・クリストファーロビン」という映画のミルン役が彼だと知ってからこの映画をいつか観たいものだと長らく考えていた。ところがサブスクでも観られず、何年間もわたしの中ではすっかり忘れ去られていた。
一方でわたしは今月教場レクイエムがどうしても観たいのでNetflixをはじめたが、ふとドーナル・グリーソンのグッバイ・クリストファーロビンのことを思い出した。Netflixで検索したが無かった。
そうなるとどうしても探してみたくなり、中井貴一の「風のガーデン」やキムタクの「空から降る一億の星」も観たかったので思い切ってFODプレミアムも始めた。教場レクイエムの監督の中江功(いさお)は「空から降る一億の星」の監督さんでもある。果たしてFODプレミアムにグッバイ・クリストファーロビンはあった。(課金してレンタルだったけど)。
教場レクイエムの脚本は君塚良一だが、わたしが小学生のころ君塚良一がパジャマ党だとは知らなかった。とはいえ、君塚良一はわたしの5つ年上なだけだから彼がパジャマ党に入党したのはわたしが小学生のころラジオを聴いていたときよりずっと後のことだ。
わたしの小学生の頃の将来の夢はパジャマ党に入ることだった。こんなに面白いラジオ番組を作る人たちに是非会ってみたかった。そして自分もその仕事がしてみたかった。
中学1年も半ばを過ぎたころ、わたしは将来の夢をパジャマ党から警察学校へ改めたが、教場レクイエムの脚本は君塚良一により書かれた。そうであれば当時のわたしの将来の夢がパジャマ党から警察学校へ改鋳(かいちゅう)(主に使用済みの貴金属を溶かして再加工し作り直すこと)されたことは腑に落ちる。
昨日わたしは午前中ブリティッシュ風レアチーズケーキ(クリームチーズと生クリームとコンデンスミルクとレモン汁で作るもの)とチョコバー(ビスケットとナッツとドライフルーツを溶かした安い板チョコで固めるもの)を同時につくりながら、小さなスマホ画面でドーナル・グリーソンのグッバイ・クリストファーロビンを観た。
クリストファーロビンが父親のミルンの意見を全く聞き入れず戦争へ行く場面でわたしは泣いた。ミルンにはそれは悲しみだが、クリストファーロビンは成長しなければならないのだ。面白おかしくぬいぐるみのクマたちと暮らした日々があればこそ、である。
厳しい現実で煮え湯を飲まされようとも、子ども時代のわたしは自分の足で一歩踏み出すことを選んだのだ。パジャマ党にも警察学校にも入れなかったけれど、わたしとクリストファーロビンには空から降る一億の星が永遠に煌めいている。それは確かです。