佐賀ぼうろ

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wacci「群青」

 

 

毎朝起きるとすぐに近江兄弟社の保湿クリームで顔を1分間マッサージする。1分間って結構長いですよ。でも毎朝やっているせいかこれをしないと目が覚めた気がしない。近江兄弟社のクリームが無くなりかけるとドラッグでストックを買う。近江兄弟社依存かな。

 

 

昨日は英語レッスンだったので昨夜は英語の夢を見た。わたしの英語レッスンは普通の人とは少し違うものかもしれない。日本語でもやっていること、クリエイティブで自由なわたしのへんてこな英作文を、ネイティブの友人がトントンして直してくれる。

 

 

レッスン中の会話は全部英語だから英会話のレッスンだと言われそうだが、英語も日本語と同じでいろんな文章の型があって、フォーマルなものや大づかみな表現、長い文章など、友人はわたしが作りたいと思う文章に見合う型を見抜いてくれる。「こういうの、どう?」と直してくれるのだ。

 

 

今朝は起きたとき、シウマイを作ろう、と思っていた。目覚めてすぐ、昨夜遅く主人とスーパーにシウマイの材料を買いに行ったことを思い出したのだ。シウマイだ、シウマイだ。わたしはまな板代わりの小さいカッティングボードを取り出し、パックの生エビをナイフでぶつ切りにしながら、ふと近江兄弟社のクリームことを思った。まあいいやと即座に自分を律した(律したのかそれ)。

 

 

わたしは毎朝、近江兄弟社のクリームの前にハイソックスを履く。一年中綿のハイソックスを履く。ところが今朝はそれもしなないでいた。素足でエビをザクザクやっていた。そうだな、ようやくここらへんにも春が来ていたということかなとまたしても律した。

 

 

エビにお酒と塩をして椎茸を刻む。それから豚挽肉に分量の調味料を入れ全部をビニール袋で混ぜる。蒸し器にお湯を沸かす。もうこうなると絶対にハイソックスや近江兄弟社のクリームには戻れない。そして先程洗濯機を回したからまもなく出来上がる。もうしばらくで、おい、洗濯ものを干せ、と洗濯機が言ってくるがわたしはまだ近江兄弟社もメイクをしてないからベランダには出れないじゃん。(ベランダは紫外線が強いので)。

 

 

シウマイの種は寝かすことも出来るからここから近江兄弟社のクリームへ移行することも出来る。なにしろ久しぶりのシウマイ包みだ。そもそもシウマイを包むことなんて人生に何回もないよな。果たしてわたしにシウマイが包めるのだろうかという不安。テルミーこれを英語で言うとどう言うの。

 

 

餃子は蒸しでも焼きでも皮を食べるものだがシウマイは違う。シウマイの皮というのは本体をそこまで覆うものではなく、皮自体ひらひらと薄い。シウマイ包みの秘訣はまず左手をずいずいずっころばしのように丸め、凹部分に皮もろとも匙と重力で種を潔く落とし込んでいく。ひとつひとつ、紙を敷いた蒸し器においていく。

 

 

ちょっと待ってくださいな。こんな繊細な作業がわたしに出来るはずがなかろう。わたしは腹立たしかった。シウマイなんて買えばいいじゃん。幾度も断念を決め込もうとする。いや待て。負けを認めるのか。シウマイへの執着ではなかった。この弱い自分を変えたい。わたしは変わりたいのだ。洗濯機がピーと鳴ってもわたしのシウマイ包みは力強く続いた。

 

 

知ってる人は知ってるがわたしはここ数ヶ月最中に夢中だった。葵の紋の家康最中。菊の御紋の天皇家最中。数日前わたしは佐賀ぼうろを食べた。ああ自分なんにも分かって無かった。そりゃあ最中は美味しいに決まってる。だって最中には美味しいしかないもの。

 

 

それに比して佐賀ぼうろはどうだ。無駄を排した美しいフォルム。サクサクでもない、ふわふわでもない。俺が佐賀ぼうろだというユニーク(英語のユニークはトンチンカンで笑えるという意味ではない。ただ己(おのれ)を持っているということである)。

 

 

 

近江兄弟社クリーム塗ってメイクしたら洗濯干そうっと。それにしても足が冷たいわ。春まだ遠いなあ。