「世界家畜図鑑」講談社

私は何かと調べるのが好きだ。(そしてジャンレノ似である)(それは余分だってば)

この本は図鑑なので禁帯出、つまり図書館の中でだけ楽しむことが出来る。

もう何日もロバを調べている。

アメリカの中年女性で自閉症スペクトラムの人が自閉症スペクトラムの人が持つ特殊な能力についての本を何冊か書いている。図書館で見つけてはざっと読むのだが今ひとつ響いてこない。

専門的というほどむつかしくはないのだが、およそ私の生活に無関係なのだ。

動物感覚は大変興味深い。私たちの大きな問題は兎だ。兎と人との相関性について論じた文書を探していたが少し諦め始めている。

私は権威に弱い。

研究者、教授、医者。その人たちはその道のプロなのだからきっと何か教えてくれるはず。

その自閉症スペクトラムの中年女性は実にのびのびと書いている。うらやましい限りだ。

私もこれに学ぼう。のびのびと自分の中の感覚を見つめよう。そうしようと決めた途端に何かが閉じた。

拒絶。

仕方ない。兎は放置してとりあえず今はロバだ。ロバロバ。

「世界家畜図鑑」のロバは15種類。カラーコピーを取り、持ち帰り、切り抜いてモレスキンに貼った。15匹のロバの横写しスナップとコメント。コメントは正田陽一さんだ。茶色いの、毛深いの、グレーのロバ。いろいろだ。

もしかして、マミちゃん!イッピキイッピキロバの写真を手帳に貼ってんの?

最近私は孫にマミちゃんと呼ばれている。

先程から5歳の潤んだ瞳の熱い視線を感じるのだ。

もしかしてマミちゃん!図鑑!作るの?

違うよ。コピーとったの切り抜いただけだよ。

でもふと思ったのだ。こうやって毎日何か観たいロバのコピーを手帳に貼っていけばいいじゃないか。この作業は効果があるかもしれない。

イタリア・サルディーニャ島の北西部にアジナーラ島という小さな無人島がある。テロリストやマフィアを収容する監獄島として知られている島だ。その島にアシノ・ビアンコ・デル・アシナラという白いロバがいるらしい。全身を白い毛で覆われている。青い瞳、薔薇色の鼻。白子。ロバのアルビノである。

アジナーラ島は国定公園に指定されている。

ネットで検索。

画像。美しい島だ。

あっ!

アジナーラ島には野生の野うさぎがいる!

兎〜。

唸る。