2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

サニーアフタヌーン

17歳の私がキンクスを聴いている。ユーリアリーガットミー、セットミーフリー。ビートルズやストーンズよりもキンクスが好きだった。今でもサニーアフタヌーンを聴くと濃い郷愁に囚われる。税金が払えない〜、と歌うこの曲。当時はなんでこんな歌詞なのかを…

ソウルサバイバーの逆襲

なにやら物騒なタイトルだが、これはニューエストモデルというグループの歌のタイトルだ。「雑種天国」「渡り廊下にランプを」「独りよがりの風」など彼らの名曲は多い。ニューエストモデルというグループはもうない。確かメスカリンドライブと合体して、今…

ウサギのバイク2

1968年ごろの海外テレビで「宇宙家族ロビンソン」というのがあった。アメリカ人の一家とスミスというドクター(医者なのか博士なのかはわからない)、それからもう一人若いお兄さんがいて、一家の長女の恋人だったようなことを覚えている。 私はこのドラマに夢…

ウサギのバイク

ウサギのバイクで逃げ出そう 枯れ葉を舞い上げて 優しいあの子も連れて行こう 氷の丘を越えて (スピッツ1991年アルバム「名前をつけてやる」収録「ウサギのバイク」より) 他のDIDさんはどうなのか、知りたいんだけど、 私たちの脳内ワールドにはウサギたちが…

ポリフォニーとしてのDID

DIDは脳内に複数の人格を持つ、と端的に説明されてしまうが現実にそんなややこしい脳で毎日を過ごすその実態を表現するのに、ポリフォニーという言葉がたいへんしっくりとくる。 ポリフォニーとは音楽用語だ。一つの曲の中に同時進行で複数の旋律、リズムが…

走るために生まれた

「BORN TO RUN」は2010年に出たクリストファー・マクドゥーガルの小説である。ジョギングについて調べていて、もうこれはどうしても読まねばならぬと速攻買い求めた。ところが図書館で予約していたティムウィントンの本が予想外に早く届き、なんでも予約本の…

DIDはつらいよ〜車寅次郎へのオマージュ

この5月に始まった危機。昭和レトロなガラスのシュガーポットが引き起こした脳の混乱はこれまでにない規模のもので、死にたい力は郵便ポストを倒しそう。これはあかん、入院じゃ、ということになり急きょ荷物をつくり病院へ。 ところが当日の朝になり個室が…

シュガーポット

もう5、6年前の映画なんだけど、「逃亡くそたわけ」っていう映画が公開された。THEピーズっていう、1990年ごろのバカロックバンドが音楽を担当してた。 ……脳みそがジャマだ。 半分でいい。 たしかそんな歌詞だった。 映画のエンディングで、坂道の上の方に…

そこが崖の下だとしても

解離性同一性障害という病気は今でこそようやく広く知られるようになった。私が通院を始めた2000年ごろは資料も少なく、文字通りやみくもに進まざるを得ない状況だった。 治療の妨げとして最大かつ最強のものは私自身の幾つかの認識である。ひとつは精神障害…

解離性同一性障害の心の内側の世界

「多重人格者の心の内側の世界」は2003年に出たバリーMコーエンらによるDID当事者154人の手記である。DID当事者の脳で起きている現実を真実味溢れる構成でまとめ上げた良い本だ。 今月私は1人のメイン人格を消失した。 彼女の名はマリ。年齢は不詳。出自は私…

解離性同一性障害の当事者です

現在解離性同一性障害(多重人格障害)を患っています。精神科受診歴14年。既婚。50歳。女。無職です。 脳の中にはちよっとしたリゾート風の丘があり、カフェがあり、木立や池があり、現在は10人ほどの人々が何事か活動をしています。 長年のことで、このよう…