愛知県教育振興会 愛知に輝く人々4「 明治のともしび」

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わたしは現役小学生時代からの学校嫌いだけれど学校の思い出はなんやかんやある。小学生時代は転校を何回かした。ある時期校庭の隅に防空壕がまだ残されている小学校に通った。あの時わたしは小学3年生であの学校は創立100年だった。調べてみたら創立は明治の初期であれはとんでもない校舎だった。

明治村で1番驚いたことは古い木造の建物たちが築年数の割に堅牢で中を歩くことも出来たことだった。

わたしは全くの先入観からテーマパークや博物館が嫌いで、これまでそういうものには滅多に近付かないで生きてきた。テーマパークの類は商業主義の権化だと忌み嫌っていたし、博物館なんてのは子爵等が勲章を胸にびっしりとつけたポートレイトを飾る下品な場所だと決めつけていた。

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この「明治のともしび」という本は御当地著名人ライフストーリーのオムニバス本である。図書館の児童書コーナーで偶然見つけたわけ。愛知に関わる偉人伝とあるんだけれど、必ずしも愛知県が故郷ではない人が県内でちょっと働いたりしたことなんかが載せられている。

一冊に20人弱。全部で何巻あるのかはちょっと忘れてしまったけれどこの第4巻「明治のともしび」はAmazonで1円だったので速攻購入した。

ちょっとびっくりだったのが偉人たちのくくりで、一巻にひとりかふたりはビッグな人を載せている(目玉、的な)が、豊臣秀吉北政所があったりする。ひとりずつのプロフィール欄があり、顔写真のない偉人らは似顔絵である。人選やまとめ順はランダムである人は科学者である人は詩人。農業林業お坊さん。本当にいろいろだ。

明治村の創始者土川元夫氏のことはこの本で知った。

その昔小学生時代には道徳の授業というのがあった(今もあるのかな)。道徳の授業では道徳の教科書というのを教員が扱うがこの愛知に輝く人々シリーズは文体や挿絵が道徳の教科書にそっくりだ。巻末を見ると何人もの愛知県の校長先生や教頭先生、平の教員たちが企画・編集者の欄に名前を連ねていた。

わたしの学校嫌いはそれはもう筋金入りであり、はじめてこの道徳の教科書風のこの本を読んだ日には小学生時代のあの言い知れない圧迫感に幾日も苛まれた。

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それでもこの「明治のともしび」の巻は購入して繰り返し読んだのだがそれはこの巻の目玉が徳川家康だったから。ハラハラドキドキジェットコースター幼少期を過ごした徳川家康が可哀想で仕方ない。もし今道徳の授業でこの本を扱ってくれたら、もちろんわたしはもう大人だけれど、きっと熱心に聴いただろうななどと考えたりした。

昨日明治村で古い武道場の中を歩いた。靴を脱いで上がる。ぐるり360度の古ぼけた武道場。飴色の床板がみしみしと鳴る。気付けば子どものわたしがそこにいて、いろんなものに少しだけ優しくなったつもりの、ちょっと妙ちきりんなおばさんのわたしを見ていた。

年を取るってこういうこと。パトリックだ。

おはようパトリック。‥‥それな!