ドゥルセ・デ・レーチェ(ミルクジャム)

TSUTAYAへ行った。少し前から観たいものがあった。先ずは5歳のリクエスト「バグズライフ」。ところが「バグズライフ」はブルーレイしかない。私はカウンターへ行った。

店内には「バグズライフ」はブルーレイしかないらしい。取り寄せますか?ときかれる。いや、いいです。第二希望「プレーンズ」を手に取る。

私は再びカウンターへ行った。探して欲しいやつがあるんですが‥‥。あの〜、藤山寛美。私の声は聴き取りにくい。いつものことだ。カウンターのお姉さんは若い。藤山、誰?という顔である。かーんーびー。かんび?はい、藤山寛美

おそらく私の年齢から上の人間は藤山寛美と連呼することに抵抗を感じるはずだろうな。

TSUTAYA藤山寛美はなかった。お姉さんは本当に済まない、先ほどのバグズライフに加え返す替えす申し訳ないと何かと相談に乗ろうとしてかいったいその藤山寛美とはなんなのかをよかったら話せと促してきたが気持ちだけ受け取り笑顔で別れた。

どうしても藤山寛美が観たかった。私は藤山寛美が好きなのだ。子供時代、藤山寛美をテレビで観て感激をした。今度いつ観れるだろうか、とにかく楽しみにしたものだ。当時の私は右側が藤山、左側が寛美で出来ていた。

買うしかないかな。丁稚シリーズ。大家族もの。藤山寛美は面白い。笑えるし泣ける。

彼はとにかく演技が素晴らしい。テクニックではない。雰囲気だ。立ち居振る舞いだ。おかげで私は痩せた人間を今でもなかなか信用できない。ずんぐりむっくり。円な瞳。そのシルエット。

芝居のラストはいつもの逆転勝ちだ。弱い立場の奉公人や相続権利のない末息子が寛大で力強い個性でトラブルを解決した。

あれは芝居だ。作り物だ。それはわかってる。でも私は藤山寛美の舞台から沢山の勇気をもらった。

ミルクジャムは結構時間をかけたがかろうじて白いと呼べる色合いで火を留める。キャラメルの数歩手前だ。もちろんキャラメルにしても美味しい。だが作りたいのはミルクジャムだ。

濃い目のアッサムティーにミルクジャムを溶かす。普通にミルクティーが出来上がる。

牛の乳は人間の暮らしに何かと関わっている。ドゥルセ・デ・レーチェはスペイン語。フランス語ではなんていうんだったかな。加糖練乳というやつがあるよね。あれもミルクジャムなのかな。珈琲にミルクジャムを溶かすとベトナム珈琲となる。

ミルクジャムと藤山寛美になんの関わりがあるというのか。

連合弛緩。嬉しいは甘いで出来ている。牛は草を食べ、人はジャムを煮る。

甘くて美味しい松竹喜劇。

やがては悲しいミルクジャム。