誠文堂新光社「シャルキュティエのソーセージレシピ」

シャルは肉、キュイは加熱。パテ、ソーセージ、リエットなどの食肉加工品をシャルキュトリーと呼ぶ。シャルキュティエとはそれらお肉の何かの職人さんを指す。家畜をさばく。端肉や内臓などを加工したことからそもそもは始まった。

この本は去年の秋に出たばかりだ。ソーセージは作ったことがある。もう大昔のことだ。ミートチョッパーやスタッファー(腸詰め機)も持っていた。

この本は楽しい。読めば読むほどソーセージを手作りする気は失せる。絶対押さえなければならないポイントなどと書いてあるとわくわくすると同時に気持ちの何処かで絶対ってなんだよと決まって反発する。ダメだな。素直さがない。職人さんにはなれないな。

塩漬けが好きで何かと漬け込む。そのせいか使い勝手の良いビニール袋を常備する癖がある。この袋はOK。これはあかん。ねえちょっとビニール袋1枚取って。うん、それ、OKの方だよ。適度な厚み。透明度。大きすぎないこれが大事。物心ついた時から私の娘たちはビニール袋のことをOK袋と呼んでいた。そしてその呼び方は世界共通だと勘違いしていた。

オートミールのスチールカットを煮る。オートミールは表面が硬い。長く煮なければ食べられない。長く煮ても食べられないと家族は言う。ロールドオーツはどうしても油脂の味か気になる。味付けなしでご飯がわりに食べるのでどうしても挽き割りを煮ることになる。

古いパンたちを食べるためのスープを作る。チャーリーのチョコレート工場のママのようにキャベツだけの甘いスープを作る。玉ねぎやコンソメキューブには飽きている。黒胡椒。バター。パンを浸すからそんなに美味しいスープで無くてもいい。でもことのほか旨い。キャベツってすごーい。

レモンを絞る。ぎゅうぎゅうと絞る。卵をといて砂糖を溶かしバターとレモン汁を入れた鍋を湯煎する。またまたレモンカードを作る。オートミールにレモンカードを少し垂らして食べたいと思いついてしまったのだ。前回のレモンカードはもうない。あんなに作ったのにもうない。しゃーないな。作るしかない。

ウォーターケフィアの発酵が完成している。粒つぶをザルで濾し、液体を取り分ける。プヨプヨたちはもりもり増えている。唸る。増えている。

ここで時計を見る。

まだ5時だ。要するに眠れない。もう朝が来るよ。朝だ。