平松洋子「韓国むかしの味」

理由はわからないがわたしはオーブンでパンを焼かなくなった。今日の朝のパン焼きはダッチオーブンで苺ジャムロール。そのあとはフライパンでチョコ饅頭。甘いパンばかり。困ったものだ。

チョコ饅頭は普通にチョコロールなのだがノンオイルのココア生地を甘くしない。中にこれでもかとチョコを入れるからね。チョコ饅頭。誰もチョコロールとかチョコパンとか言わない。

真夏の日射しで庭のレモンバームが伸び放題に伸びたのでレモンバーム酵母を作った。

葉物酵母はカビる。なんとなくむつかしいと感じていたがあれこれ調べて一週間冷蔵庫できっちり乳酸菌を繁殖させてから室温へ戻したら呆気ないほど一気にぶくぶくが始まった。

早速酵母液に全粒粉を混ぜてパン種擬きを作る。檸檬の芳香。これを数回繰り返してパン種が完成だ。

平松洋子さんの韓国の郷土料理の本をもう何回も図書館で借りている。返して数週間後、また本棚に見つけて借りる。また返す。また借りる。この本はきっといつか買うに違いない。

日曜日キッチンを主人がうろうろ。彼は北インドのバターチキンカレーを作っている。水やスープは入れない。スパイスのいっぱい入ったトマト果汁とヨーグルトで肉を煮る。

NHKの料理番組のように調味料を予め計量して美しく並べては段取りが宜しい。

あのさ、あなたってさ、ドジョウ食べたことある?

ないよ。

ふうん。

じゃあタニシ、食べたことある?

ないよ。

ふうん。

わたしは小さかった頃ドジョウとタニシをよく食べた。ドジョウは細い糸のような骨がいっぱいでシャリシャリとした独特の食感だった。タニシは硬くてほんのり甘い。まあ美味しかった。

平松洋子さんの本を読んでこれらの記憶が蘇りしばらくは気分が悪かった。

ドジョウとかタニシとかヒトが食べるもんじゃないよ。

脳ではそんな声がする。

昨日シンスゴさんのエッセイを借りた。在日エピソードがこれでもかと出る出る。

ドジョウ食べないかな。

タニシ食べないかな。

なかなか食べない。

美味しいは悲しい、そのわけはこの辺にありそうだ。

レモンバーム酵母はレモンピールを入れたレモンパンしかないよね。

しかし果たして甘いパン焼きでドジョウやタニシが上書きされるだろうか。

まあドジョウもタニシも迎え撃つしかないな。

以上、パトリック雑記。