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ベートーベン'月光'
解離性遁走は逃げた先で保護されて君名前は?何処から来たの?と尋ねられてもしっかりとは思い出せない。それでもこれは自前の衣服で、これは私の靴であるということがわかるし、食べたり飲んだり眠ったり、そういうことが不自由になったりはしない。生まれた土地を遠く離れても寂しさはなく、むしろその方が安心出来る。この種の記憶喪失は思い出せないことをすっかり思い出せば解決ではなく、思い出しては具合の悪い事実が出てきそうな現実こそが恐ろしく、禁忌と感じられる。
しかし私たちは逃げてばかりで充足することは絶対にない。
長らく掛け違えたボタンの連鎖の世界を私は生きてきたが私は私のあるべき場所に帰ろうと決意してそれを果たすことが出来て今では満足している。ここから明日旅に出たとしてももう遁走でも逃亡でもないわけです。